キンドリルジャパンは、日本市場のIT準備度を分析した「日本版キンドリル・レディネス・レポート2025」を発表した。日本はITインフラの準備度やAIの本格活用において、グローバル、米国、EUと比較して遅れていることが明らかになった。
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日本企業においてクラウド移行の課題やオンプレミス回帰の必要性が目立っている他、AI(人工知能)活用に向けた準備も遅れている実態が、キンドリルジャパンが公開したレポートで浮き彫りになった。
キンドリルジャパンは2026年2月12日、日本市場の動向に焦点を当てた「日本版キンドリル・レディネス・レポート2025(日本版Kyndryl Readiness Report 2025)」を発表した。キンドリル・レディネス・レポートは、企業が将来のリスクとテクノロジー変革にどれだけ備えているかを評価したもの。
レポートは2025年2月20日から3月21日にかけて、21カ国・24業界のビジネスおよびテクノロジーリーダー3700人を対象に実施した調査結果に基づいている。日本版は、全対象国の分析に加え、日本および米国(計300人)、EU(欧州連合)(計1400人)の結果を重点的に比較・分析して作成されている。
「ITインフラの準備が十分に整っている」と回答した割合は日本では31%にとどまり、グローバル(40%)、EU(37%)、米国(40%)を下回った。
リスク軽減策として「サイバーセキュリティ強化」や「インフラのアップグレード」を選んだ割合は他市場より低い一方、「内部統制やガバナンス(管理体制)強化」を挙げる回答は他市場より高く、日本企業は内部統制面により大きな優先度を置いていることが分かった。
日本は「十分な計画がないままクラウド環境を構築してきた」(58%)という回答が他市場と比較して高い傾向となった。
クラウド移行における課題として、「想定以上のコストが発生した」「多額の投資を行ったが一部のワークロードをオンプレミスに戻す必要が生じた」という回答が他市場と比較して多かった。
クラウド上のデータに関する地政学的リスクについては、97%の回答者が地政学的プレッシャーを受けて何らかのIT関連の対策をしたと回答した。
「今後12カ月でAIが自社の役割と責任を完全に変革する」と回答した割合が他市場と比較して低く、AIに対応する組織的準備が遅れていることが明らかになった。
「自社の組織文化は柔軟性・適応力が高く、継続的な変革が根付いている」と回答した割合は29%にとどまり、文化的適応力が相対的に低いことが示された。
日本は、AIに関して「検証・実験段階にある」という回答が68%に達し、グローバル(62%)、EU(61%)、米国(55%)を大きく上回った。
レポートでは、日本企業がAIの潜在力を十分に引き出すためには、規制・コンプライアンス(法令順守)対応の強化、明確なユースケース定義、ITインフラ基盤の高度化が一層重要であると示唆している。
「機会があれば自社のクラウド戦略を見直したい」と回答した割合は、日本(96%)が、グローバル(95%)、EU(95%)と同等に高く、米国(87%)を上回った。
見直したい点としては、セキュリティとコンプライアンス、人材への投資、ガバナンス強化が主に挙げられている。ROI(投資対効果)の指標として「顧客満足度の向上」を重視する割合が日本では他市場より高く、日本企業特有の価値指向が示された。
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