Gartnerは、AI導入を理由に顧客サービススタッフを削減した企業の動向に関する予測を発表した。2027年までにその半数が再雇用に踏み切るとの見解を示し、AIの限界と人的リソースの重要性を指摘している。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Gartnerは2026年2月2日(米国時間)、AI(人工知能)に起因して人員削減を行った企業の将来的な雇用動向に関する予測を発表した。それによると、AIを理由に人員を削減した企業の5割が、2027年までにスタッフを再雇用することになるという。再雇用されるスタッフは削減前と類似した機能を担うことになるが、その役職名は以前とは異なるものになる見通しだ。
Gartnerのカスタマーサービス&サポートプラクティスでシニアディレクターアナリストを務めるキャシー・ロス(Kathy Ross)氏は、AI主導によるレイオフ(再雇用を前提とした一時的解雇)が注目されているものの、現実はより複雑だと指摘する。
ロス氏によれば、最近行われた人員削減の多くは、自動化という単独の要因ではなく、より広範な経済状況の影響を受けたものだったという。その上で同氏は、組織がAIの限界に直面し、さらに顧客からの期待も高まっている現状に言及し、「サービス品質と成長を持続させるには、組織が人材に対して再投資する必要がある」との見解を示している。
同カスタマーサービス&サポートプラクティスのリサーチシニアディレクター、エミリー・ポトスキー(Emily Potosky)氏は、AI技術の成熟度について警鐘を鳴らす。同氏は、現在のAIは人間のエージェントが提供する専門知識や共感、判断力を完全に代替できるほどには成熟していないと分析しており、「現時点でAIのみに依存することは時期尚早であり、意図しない結果を招く可能性がある」と指摘する。
現在、世間では「AIがカスタマーサービスの人員を大幅に削減するだろう」という予測が広がっているが、実態は若干異なる。Gartnerが2025年10月に、321人のカスタマーサービスおよびサポートリーダーを対象に実施した調査によると、「AIを理由にエージェントの人員を削減した」と回答したリーダーは、全体の2割にとどまっているという。
同調査では、過半数のリーダーが「人員数は横ばいで推移している」と報告している。これらの組織は、より多くの顧客をサポートしている状況でも、人員体制を維持しているという。
「今のレイオフはAIがスケープゴートに」 AI失業の誤解と2030年までに訪れるリーマン時超えの失職
AIへの過度な期待が生む人員削減先行と「ワークスロップ」 2026年への提言
2025年テクノロジー業界レイオフは24万人規模、日本では1万1608人が解雇 主な要因は?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
編集部からのお知らせ