Windows 11の「Windows Update」は、セキュリティ上の脆弱(ぜいじゃく)性を修正する更新プログラムを配信・適用するための仕組みである。PCを保護する盾である一方、作業中の突然の再起動や通信負荷がユーザーの悩みの種になることもある。本Tech TIPSでは、セキュリティを維持しつつ業務効率を妨げないための5つの最適化術を解説する。
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対象:Windows 11
仕事を邪魔させない、Windows 11「Windows Update」を快適に使う5つの設定Windows 11には、セキュリティの穴「脆弱(ぜいじゃく)性」をふさぐための更新プログラムを配信・適用する仕組みとして「Windows Update」が備わっている。これは悪意ある攻撃からPCを守るための盾であり、同時に新しい機能や利便性を手に入れるための窓口でもある。
Windows Updateは、Microsoftが配信する更新プログラムをバックグラウンドでダウンロード、適用してくれる。ユーザーは、更新プログラムの適用に必要となる「再起動」が指示された際に、Windows 11を再起動すればシステムを最新の状態に保つことができる。
これにより、マルウェアによる攻撃や不正アクセスを防ぎ、最新の周辺機器との互換性が確保されたり、OS全体のパフォーマンスが改善されたりする。一方で業務中に突然再起動が指示されたり、バックグラウンドでの通信が重くなったりと、時としてユーザーの頭を悩ませる存在になることも事実だ。
本Tech TIPSは、Windows Updateによる予期せぬ中断や速度低下に悩まなくて済むようにする最適化術を解説する。Windows Updateの適切な設定で、セキュリティを維持しつつ、作業の生産性を妨げないようにしよう。
Windows Updateには、自分のPCがダウンロードした更新プログラムの一部を、ローカルネットワーク上やインターネット上の他のPCに再配布する「配信の最適化」という機能が備わっている。Microsoft側のサーバ負荷を減らすための仕組みだが、ユーザー側から見ると、知らない間に自分のPCの通信帯域とメモリが他人のために使われることを意味する。
特にWeb会議や大容量のファイル転送を実行する環境では、このバックグラウンド通信が予期せぬ遅延の原因となり得る。この機能を「オフ」にすることで、Windows 11のパフォーマンスが向上したという報告もある。
ただし、クライアントとして大量のWindows 11を導入している組織においては、「配信の最適化」を「オン」にすることで月例の更新プログラムの配信時などに一斉にPCがMicrosoftのサーバへアクセスするのを防ぎ、インターネット接続の負荷を下げられるというメリットもある。一律、「オフ」にするのが望ましいわけではない点に注意してほしい。
「配信の最適化」は、「設定」アプリの[Windows Update]−[詳細オプション]−[配信の最適化]を選択し、「配信の最適化」画面を開いたら、「他のデバイスからのダウンロードを許可する」のスイッチを「オフ」にすればよい。これで余計な通信とリソース消費を止めることができる。
通信容量に制限のあるモバイル回線を使っている際に、GB単位の機能更新プログラムなどの大型アップデートが始まってしまうのは避けたいところだ。これを防ぐための有効な手段が「従量制課金接続」としての設定である。
Wi-Fiの場合は、「設定」アプリの[ネットワークとインターネット]−[Wi-Fi]を選択し、「Wi-Fi」画面を開く。ここで[<SSID>のプロパティ]をクリックする。「<SSID>」画面が開いたら、「<SSID>のプロパティ」を展開し、「従量制課金接続」のスイッチを「オン」にする。
イーサネットで直接接続している場合は、「設定」アプリの[ネットワークとインターネット]−[イーサネット]を選択し、「イーサネット」画面を開く。ここに「従量制課金接続」のスイッチがあるので、これを「オン」にする。
イーサネットの「従量制課金接続」設定を有効にする(3)さらに「設定」アプリの[Windows Update]−[詳細オプション]を選択し、「詳細オプション」画面を開き、「従量制課金接続で更新プログラムをダウンロードする」のスイッチが「オフ」になっていることを確認する(既定で「オフ」)。
従量課金接続時に更新プログラムがダウンロードされないようにするWindows 11は「コストがかかる回線」であると認識し、緊急性の高いセキュリティ更新を除いて、大容量のダウンロードを自動的に保留するようになる。自宅の回線であっても、自分のタイミングでしかアップデートをしたくない場合に有効な「疑似的な手動更新モード」として活用できる(更新を開始したい場合は、このオプションを「オフ」にすればよい)。
作業に集中している最中に「15分後に再起動します」という通知が出るのは、多くのユーザーにとって最大のストレスだろう。これを回避するための基本が「アクティブ時間」の適切な設定である。
Windows 11はデフォルトでユーザーの操作パターンを学習して「アクティブ時間」を設定する。これを「手動」に切り替えることで、自分が確実にPCを触る時間(例えば朝8時から夜11時までなど)を最大18時間の範囲で指定することができる。これにより、少なくとも日中の業務時間内に突然作業が中断されるリスクを物理的に排除できる。
「設定」アプリの[Windows Update]−[詳細オプション]を選択し、「詳細オプション」画面を開いたら、「アクティブ時間」を展開し、「アクティブ時間を調整する」のプルダウンリストで[手動]を選択する。開始時刻と終了時刻の設定が可能になるので、ここで「開始時刻」を業務開始時間の1時間前、「終了時刻」を23時などに設定すればよい。これで設定した時間内はWindows Updateによる強制再起動を防止できる。
ただし、設定した時間外が常に電源が「オフ」の状態だと、この設定時間内であってもWindows 11が起動した時点で更新プログラムの適用が開始されることがあるので注意してほしい。
Windows Updateが「最新の状態です」と表示していても、実はまだインストールされていない重要なプログラムが隠れていることがある。それが「オプションの更新プログラム」に含まれる最新のデバイスドライバ類だ。
プリンタがうまくつがらない、特定の周辺機器の動作が不安定といったトラブルの際、ここを確認すると更新版のデバイスドライバが配信されていることがある。
「設定」アプリの[Windows Update]−[詳細オプション]を選択し、「詳細オプション」画面を開き、「追加オプション」欄の[オプションの更新プログラム]をクリックする。「オプションの更新プログラム」画面が開くので、デバイスドライバなどオプションの更新プログラムがある場合はチェックを入れて、[ダウンロードとインストール]ボタンをクリックする。
「オプションの更新プログラム」でデバイスドライバを更新する(1)
「オプションの更新プログラム」でデバイスドライバを更新する(2)定期的にこの「オプションの更新プログラム」を確認する習慣を付けることで、わざわざメーカーのサイトを探し回る手間を省くことができる。
万が一、アップデートを適用した直後からPCの調子が悪くなった場合、どの更新が原因かを知る術を持っておく必要がある。
「設定」アプリの[Windows Update]−[更新の履歴]を選択し、「更新の履歴」画面を開く。ここには、いつ、どの更新プログラムがインストールされたかが一覧で表示されている。更新プログラム名の右側にある[詳細情報]リンクをクリックすれば、Webブラウザが起動し、該当するMicrosoftのサポートページが開く。
更新プログラムをアンインストールする(2)
更新プログラムをアンインストールする(4)もし更新プログラムを適用後にフリーズや不具合が発生するようならば、同じ画面の「関連設定」欄にある「更新プログラムをアンインストールする」から、原因の疑いがあるものだけを個別に削除して以前の状態に戻すことができる。システムの復元という手段を取る前に、この「ピンポイントな巻き戻し」を知っておくことが、不測の事態における迅速なリカバリーにつながるのである。
更新プログラムのアンインストール方法の詳細は、Tech TIPS「【Windows 11】更新で不具合!? それなら更新プログラムをアンインストールしてみよう」を参照してほしい。
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