キッカケクリエイションの調査によると、AIコーディングアシスタントツールの利用で9割弱が生産性向上を実感している一方で、約7割が課題や不満を感じていることが分かった。利用の実態を探る。
IT人材サービスを手掛けるキッカケクリエイションは2026年3月17日、AI(人工知能)でプログラム開発を支援する「AIコーディングアシスタントツール」の利用実態に関する調査結果を発表した。調査は2025年11月14日から17日にかけて、業務で同ツールを利用しているITエンジニア437人を対象に実施した。
AIコーディングアシスタントツールは複数種類の併用が主流となっている。調査結果によると、利用ツール数は2種類が39.8%で最も多く、全体の62.2%が複数ツールを併用していた(図1)。1種類のみの利用は29.7%にとどまった。
回答者に、業務で最も頻繁に利用しているAIコーディングアシスタントツールを聞くと、「GitHub Copilot」が44.2%でトップとなった。次いでOpenAIの「Codex」が26.5%、Googleの「Gemini CLI」(「Gemini Code Assist」を含む)が23.8%だった。
ツール選定で重視する要素は、ソースコードの補完・生成精度(46.2%)が最多で、処理やレスポンスの速さ(39.1%)、思考整理やアーキテクチャ設計の支援力(31.8%)が続いた(図2)。使い慣れた開発環境との連携性も27.0%と一定の割合を占めた。
AIコーディングアシスタントツールの利用により「生産性が向上した」との回答は86.0%に上り、内訳は「非常にそう思う」が33.4%、「ややそう思う」が52.6%だった。生産性向上を実感した回答者に具体的な効果を聞くと、コーディング時間の短縮が56.6%で最多となり、デバッグ作業の効率化(43.9%)などが続いた(図3)。
回答者のうち、AIコーディングアシスタントツールを利用する上で「課題や不満を感じる」と答えたのは67.1%であり、内訳は「非常に感じる」が20.4%、「やや感じる」が46.7%だった。具体的な課題や不満としては、意図と異なるソースコードの生成が54.9%で最も多く、提案されるソースコードの精度の低さ(37.2%)、セキュリティやライセンスへの懸念(34.1%)が続いた(図4)。
複数のAIコーディングアシスタントツールを利用している回答者のうち、タスクや状況に応じてこれらを「明確に使い分けている」と答えたのが26.1%、「ある程度使い分けている」と答えたのが60.7%だった。これらの回答者に使い分けの基準を聞くと、言語やフレームワークによる使い分けが52.1%で最多となり、実装の複雑さによる使い分け(39.4%)、ソースコードの補完と生成での使い分け(34.3%)が続いた(図5)。
AIコーディングアシスタントツールの使い分けに関する工夫についての自由回答では、「ソースコードの生成単位(モジュール)をなるべく小さくすることで、出力結果を精査しやすくしている」といった声があった。「別ツールをセカンドオピニオンとして使うことで、作業が進めやすくなる」との意見も寄せられた。
今回の調査結果を受けてキッカケクリエイションは、AIコーディングアシスタントツールの特性を理解し、用途に応じて適切に使い分けるスキルが、ITエンジニアにとって重要になると指摘する。
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