Google DeepMindは、「AGI」の実現への進捗を測定するための認知フレームワークを提示した論文を発表した。AIシステムの「知性」を評価する実証的ツールの不足を受け、認知科学を基盤とする新たな評価手法を提案した。
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「AGI」(汎用<はんよう>人工知能)の開発に関しては、科学的発見の加速や人類の難題解決を担う切り札として期待されている一面があるが、その「知能」を客観的に測る尺度の欠如が、実現への距離を不透明にしている。
GoogleのAI研究部門であるGoogle DeepMindはその状況を打破すべく、AGI実現に向けた進捗(しんちょく)状況を測定するためのレームワークを提示した論文「Measuring Progress Toward AGI: A Cognitive Framework」を2026年3月17日(米国時間、以下同)に公開した。
Google DeepMindの研究者ライアン・バーネル氏とプロダクトマネジャーのオラン・ケリー氏による論文は、AGIが科学的発見を加速させ、社会課題の解決に寄与する可能性に触れつつ、その進捗を把握するための実証的ツールが不足していることを指摘。
心理学や神経科学、認知科学の知見を統合し、一般的知性の根幹を成す以下の「10の認知能力」を定義している。
定義した10種の認知能力を定量化するために、論文ではAIシステムの性能を人間のパフォーマンス分布と比較するベンチマーク手法として、「3段階の評価プロトコル」を提案している。
論文の公開と同時に、Google DeepMindは機械学習プラットフォーム「Kaggle」と連携したハッカソン「Measuring progress toward AGI: Cognitive abilities」の開催も発表している。評価手法の確立が遅れている「学習」「メタ認知」「注意」「実行機能」「社会的認知」の5分野に焦点を当て、研究コミュニティーから評価設計案を募集することが目的。応募受付は2026年3月17日〜4月16日までで終了している。結果発表は同年6月1日を予定している。
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