ESETは、脅威アクターがAIを活用して攻撃を高速化している現状と防御側の対策について解説した。初期侵入から横展開までのブレークアウトタイムは平均約30分にまで短縮されていると警告している。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
セキュリティベンダーESETは2026年4月7日(現地時間)、公式ブログで、AIを活用したサイバー攻撃の加速と防御戦略についての解説を公開した。
RaaS(Ransomware as a Service)グループの80%がAIや自動化をサービスの機能として提供しているとする調査結果を引用し、攻撃側の能力が急速に強化されていると指摘。攻撃者は従来のTTP(戦術、技術、手順)をAIで強化し、攻撃のスピードを高めているとしている。
ブレークアウトタイム(侵入後に横展開するまでの時間)は2025年に、平均約30分にまで短縮されている。一部の攻撃では初期侵入から1分未満で横展開が確認されたケースもある。
防御側がこの段階で攻撃者を阻止できなければ、初期侵入が重大インシデントに発展するリスクが高い。データの外部送信も加速しており、2025年の最短記録はわずか6分で、2024年の4時間29分から大幅に短縮されたという。
ESETでは、防御の時間的猶予が急速に縮まっている理由として以下の要因を挙げている。
ESETは、攻撃者が昇格した権限でネットワークに侵入し検知されずに横展開できる状況では、人力による対応だけでは間に合わないと指摘する。対策として、AI搭載のXDR(Extended Detection and Response)や外部専門企業による24時間監視サービスMDR(Managed Detection and Response)の活用を推奨している。これらは不審な挙動を自動検出し、コンテキスト(背景情報)データでアラートの精度を高め、必要に応じて自動修復を実行するとしている。
エンドポイントやネットワーク、クラウドなど複数のレイヤーを横断的にカバーする単一プロバイダーの採用が、ポイントソリューション間の死角を解消するとしている。エッジデバイスの可視化や、SIEM(Security Information and Event Management)およびSOAR(Security Orchestration, Automation and Response)ツールとのシームレスな連携も重要だとする。
脅威インテリジェンスと脅威ハンティングの両方を活用するアプローチにより、攻撃者がどのように標的にし、次にどこへ移動するかに焦点を当てることが可能になる。
ESETでは、対応時間を短縮するための具体策として以下を挙げる。
ESETは、これらの対策を多層的に組み合わせ、信頼できるプロバイダーによるAI搭載のMDRやXDRを併せて運用することで、防御側が主導権を取り戻せると結論付けている。
「侵入4分後にデータが消える」 AI悪用で“攻撃が速過ぎる”今、セキュリティチームが勝つには
「Google ドライブもランサムウェアに狙われている」 身代金を払わずに一括ファイル復元するには
「AIを使った未検証の報告は単なるノイズ」 GitHubがバグ報奨金制度を厳格化
平均パスワード保有数が168件から120件に初の減少 その裏で起きていること
「ダークWebで個人情報を検出しました」 アカウント“流出”の原因と、その予防策Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.