AI需要の拡大を背景に、汎用サーバ向け部品の納期が大幅に長期化しており、サーバ市場全体の出荷にも大きく影響する見通しだ。TrendForceの調査を基に見てみよう。
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AI需要の高まりが、企業のサーバ調達にも影響を及ぼし始めている。市場調査会社TrendForceによれば、半導体や部品の生産能力がAI向け製品へとシフトしており、汎用(はんよう)サーバ向けの納期が長期化する傾向にある。出荷遅れに伴ってサーバ市場の成長率が鈍化し、サーバ更改やインフラ投資の計画にも影響を及ぼす可能性がある。
TrendForceが2026年4月15日に発表したサーバ市場調査によれば、2026年はAIの需要が汎用サーバとAIサーバの両方をけん引し続ける見込み。半導体メーカーや部品メーカーは、より付加価値の高いAIサーバ製品への生産能力の割り当てを優先しているという。
これにより、複数の汎用サーバ向け部品の納期が大幅に延びている。その結果、以前は前年比20%近くに達すると予想されていた通期のサーバ出荷成長率は、潜在的な市場需要を完全には反映することができず、13%程度にとどまるという予測だ。
TrendForceは「汎用サーバの需要は安定している」としているものの、プリント基板(PCB)やCPU(中央演算処理装置)など主要部品の供給不足が顕在化しており、納期は約1年にまで延びている。サーバ内の電力供給を制御するPMIC(電源管理IC)や、遠隔監視・管理機能を担うBMC(ベースボード管理コントローラー)チップについても、納期が大幅に長期化しているとしている。
電源管理ICの生産に利用されている半導体工場(Samsung Electronics)の一部閉鎖計画もあり、汎用サーバ向けPMICの供給はさらに逼迫(ひっぱく)する見通しだ。こうしたことから納期は、21〜26週間から35〜40週間まで延びると予想されている。BMCチップも生産能力の制約があり、納期は従来の11〜16週間から21〜26週間へと長期化する見通しだ。
AIサーバに関しては、クラウドサービスプロバイダー(CSP)による強い需要により、2026年の出荷成長率は前年比約28%になると予想されている。中でもASIC(特定用途向け集積回路)ベースのAIサーバの出荷成長率は、GPUベースのシステムを上回る可能性が高いとされている。
ただしMeta PlatformsやAmazon Web Services(AWS)などが開発する独自AIチップについては、量産前の検証やソフトウェアの最適化に時間を要する可能性があり、AIサーバの出荷が遅れるリスクもあるという。そのためTrendForceでは、ASICベースのAIサーバのシェアを28%近くから約27%へとわずかに下方修正している。GPUベースのシステムが依然として大半を占める状況は変わらない。
TrendForceは、AIサーバ向けに部品や生産能力が優先的に割り当てられていることに加え、主要な半導体部品の供給不足が続いていることから、汎用サーバの需要に対して十分な出荷ができない状況が続くとみている。結果として2026年のサーバ市場全体の成長率を押し下げると予測している。
こうした状況が改善されるには、生産能力の増強や部品供給のボトルネック解消が必要であり、2027年にかけても需要が供給を上回る状況が続くとTrendForceはみている。
企業のIT部門にとっては、サーバ更改や仮想化基盤の刷新を計画する際、従来よりも長い調達期間を見込む必要がありそうだ。サーバOSのサポート終了も控える場合には、調達遅延のリスクも考慮した計画が求められる。
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