世界のデータセンターの電力消費が2026年、2027年に急速に増大する見通しだ。企業はこれを、自社のAI活用やデータセンターの利用・運営にも影響を及ぼす可能性がある問題として捉えておかなければならない。
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生成AIの活用が今後一段と本格化する見通しの中で、大きな影響を受ける見通しなのが企業のデータセンター利用だ。調査会社のガートナージャパン(以下、ガートナー)は2026年6月11日、世界のデータセンターの電力消費が2026年に前年比26%増加するとの予測を発表した。
こうした予測は、単にデータセンターの電力消費が増えるというだけの話ではない。AI向けサーバの急増は、企業のAI活用だけでなく、従来のデータセンターの運用や選び方にも影響を及ぼす可能性がある。
まず世界のデータセンターの電力消費量は、2025年の447テラワット時(TWh)から、2026年には565TWh(前年比26.4%増)に、2027年には702TWh(前年比24.1%増)に増加する見込みだ。
電力消費の増加をけん引しているのは、AI最適化サーバだ。ガートナーによれば、AI最適化サーバは2026年にデータセンター全体の電力消費の31%を占め、2027年には従来型サーバの電力消費を上回ると予測している。
世界のデータセンターの電力需要は2026年に27%増加し、2025年の104ギガワットから132ギガワットに達する見通しだ。2030年には290ギガワットに達するとも予測されている。
Gartnerによれば、データセンターの電力需要は前例のない勢いで増大しており、その背景には計算負荷の高いAIワークロードへの需要急増がある。そうしたAIワークロードを拡張できるかどうかは、電力供給能力によって制約されている状況だ。
2030年までにデータセンターの電力消費が1200テラワット時(TWh)を超えると見込まれる中、将来のデータセンター建設需要に対して送電網から供給できる電力は不足し、あらゆるユーザーに影響が及ぶとGartnerは予測する。
Gartnerのリンラン・ワンワン氏(ディレクター アナリスト)は、企業でインフラやオペレーションを担うリーダーは、データセンターにおける計算処理の効率向上への投資と、送電網へのアクセス確保を優先する必要があると指摘する。
日本のデータセンター電力消費の予測は以下の通りだ。従来型サーバはほぼ横ばいである一方、AI最適化サーバは2026年が100.9%増、2027年が52.9%増と大幅な成長となる見込み。
国内の状況について、ガートナージャパンの山本琢磨氏(ディレクター アナリスト)は、データセンター建設の制約になっているのは発電能力そのものではなく、送電設備の整備の遅れだと説明する。国内でもAI需要の拡大に伴ってデータセンターの消費電力は増加しているものの、AI専用データセンターはまだ多くないという。
また自社保有のデータセンターについては、今後減少すると山本氏は指摘。一方でコロケーションサービスの利用が拡大している。コロケーションとは、データセンター事業者の施設に自社のサーバを設置して運用する形態を指す。「企業ユーザーはAIの大規模活用を見据え、十分なエネルギー供給やその安定性、冷却機能、環境対策が整ったコロケーションサービスを選定することが重要になる」(同氏)
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