ITプロフェッショナルにとって、仕事を選ぶ際に給与以外で譲れない条件とは何なのか。日本と世界の調査結果を比較すると、日本のITプロフェッショナルならではの意識が浮かび上がってきた。
人材サービスを提供するランスタッドは2026年8月20日、人材を引き付ける企業の条件を調べた「ランスタッド エンプロイヤーブランドリサーチ 2026(IT)」の調査結果を発表した。日本のITプロフェッショナルが勤務先の企業選びで重視する条件を、世界のITプロフェッショナルや日本の全業種(以下、日本全体)と比較した。
日本のITプロフェッショナルが企業を選ぶ際に求める要素は「給与と福利厚生」(63.9%)がトップだった。世界のITプロフェッショナル(54.1%)よりも9.8ポイント、日本全体(59.2%)よりも4.7ポイント高かった。給与と福利厚生は、世界のITプロフェッショナルでも、日本全体でもトップだった。
ランスタッドは、日本のITプロフェッショナルにとって給与は単なる生活の糧ではなく、自身の市場価値を測る客観的な指標になっていると分析する。自身のスキルや市場価値に見合った給与を得られるかどうかが、企業を選ぶ上で重要になっているという。
企業選びで重視する要素の2位以下を見ると、国や職業による違いが明確になる(図)。
世界のITプロフェッショナルでは「キャリア成長の機会」(51.3%)、日本全体では「職場の雰囲気」(49.4%)がそれぞれ2位だったのに対して、日本のITプロフェッショナルでは「雇用の安定」(49.2%)が2位だった。ランスタッドは、市場価値を意識しながら雇用の安定も求める日本のITプロフェッショナルについて、「成長志向と安定志向の二面性」があると捉える。
日本のITプロフェッショナルでは「最新テクノロジーの導入・活用」を重視する割合が29.5%だった。日本全体の10.8%と比べて約2.7倍だ。ITプロフェッショナルにとって先端技術に触れられることは、自身の市場価値を維持・向上させる上で重要な条件になっていると、ランスタッドは分析する。
ITプロフェッショナルを引き付け、定着させるために、ランスタッドは企業に対して、従来の雇用慣行を超えた「EVP」(従業員価値提案)の構築を求める。具体的には、市場連動型の給与体系への転換や、最新技術に触れられる開発環境への投資を挙げる。他社でも通用するスキルや能力を持つ人材に、あえて自社を選んでもらうための納得感を醸成することが、より重要になるという。
日本における調査の実施時期は2026年1月で、オンラインアンケートによって実施した。対象は日本国内の18〜65歳の学生、就業者、非就業者4464人(このうちITプロフェッショナルは61人)。世界全体では16万6000人以上が回答した。
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