AWSは、オープンソースの分析データベースシステム「DuckDB」の開発企業、DuckLabsの買収合意を発表した。DuckDBチームはAWSに合流する。オープンソースプロジェクトとしてのDuckDBは独立非営利組織の下、MITライセンスで提供が継続されるとしている。
Amazon Web Services(以下、AWS)は、オープンソースの分析データベースシステム「DuckDB」の開発元であるDuckLabsを買収する正式契約を締結した。同社を傘下に持つAmazon.com(以下、Amazon)が2026年8月26日(米国時間)に発表した。近く買収手続きが完了する見通しだ。
DuckLabsは、オランダ・アムステルダムを拠点にDuckDBの開発を主導してきた。買収完了後、DuckLabsの全チームがAWSに合流する。
DuckDBの共同開発者でありDuckLabsの共同創業者でもあるハネス・ミューライゼン氏とマーク・ラースフェルト氏は、合流後も引き続きチームを統括し、DuckDBプロジェクトの技術的な方針決定を主導するという。
AWSとDuckLabsは2024年から協業関係にあり、緊密な連携を続けてきた。DuckLabsのエンジニアリングチームは、高度なデータベース基盤技術についての専門知識と、世界中の開発者に支持されるソフトウェア製品を構築してきた実績を持つ。
Amazonは、AWSによるDuckLabsの買収を通じて両社の知見を統合し、AWSで提供する各種データ分析サービスを顧客にとってより高速かつシンプルにし、費用対効果に優れた環境として提供することを目指すとしている。
なお、オープンソースプロジェクトとしての「DuckDB」そのものは買収対象に含まれない。
DuckDBプロジェクトは、独立した非営利組織「DuckDB Foundation」が引き続き管理および監督を担う。ソフトウェアのライセンス形態についても、現在と同じ「MITライセンス」の下で、OSS(オープンソースソフトウェア)として公開が継続される。
DuckLabsは創業以来、外部資本を入れない自己資金経営を貫いてきた。だが、DuckDBのダウンロード数が1日100万件を超える規模へ成長する中で、小規模な組織のままでは開発やサポートが追い付かなくなるリスクや、営業・運用体制の拡大に追われて技術開発がおろそかになる懸念が生じていたという。
創業者らは「DuckDBによる革新を数桁上のスケールへ拡大するためには、新たな体制が必要だった。大規模なインフラと世界的なリーチを持つAWSと合流することで、技術開発に集中しながら、より多くの開発者へアプローチできる」と合流の理由を説明している。
AWSのバイスプレジデント兼ディスティングイッシュドエンジニアであるアンディ・ウォーフィールド氏は、DuckLabsの買収について次のようにコメントしている。
「DuckDBチームは過去10年近くにわたり、誰もが確信を持ってデータを扱えるツールの構築という理念に取り組んできた。単にデータを扱いやすくするだけでなく、利用者が自発的に問いを立て、システムを構築し、データに基づいて真のイノベーションを起こせるようにするという彼らの思想は、AWSおよびわれわれの顧客がデータで抱いている考え方と完全に一致している。過去2年間にわたりDuckLabsチームと緊密に連携してきたが、今後一体となって協業できる機会を得られたことを非常に楽しみにしている」
AWSは買収手続きが完了次第、DuckLabsの技術とAWSのクラウド基盤を融合させ、顧客向けに提供する計画の詳細を発表する予定だ。なお、買収完了までの期間を含め、既存のDuckDBユーザーに対する影響や利用規約の変更などは発生しないとしている。
DuckDB Foundationは今後もAWSの支援を受けながら、技術諮問委員会の設置やサードパーティー製拡張機能の開放など、オープンソースエコシステムのさらなる強化を進める方針だ。
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オープンソースの分析データベースシステム「DuckDB」 バージョン1.0.0公開Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.