“脱Excel”なんて言えない 「システムが出したデータをExcelで検算」がなくならない理由「給与計算でExcelなどを併用」が9割、その実態とは

システムを導入すれば、Excelを使った手作業はなくせるはず――。ところが実態は、そう単純ではない。なぜシステム外の作業が残り続けるのか。給与計算に関する調査結果から探る。

» 2026年08月31日 13時00分 公開
[@IT]

 AIを活用した業務システムを手掛けるLayerXは2026年8月3日、「給与計算の月次締め」に関する実態調査の結果を発表した。給与計算システムの導入が進む一方で、現場では期待したほど業務負荷が軽減していないと同社は指摘する。その背景を明らかにすることが、今回の調査の目的だ。

 調査では、給与計算システムとは別に、検算やデータの加工・管理などを目的として、「Microsoft Excel」(以下、Excel)などの表計算ソフトウェアを併用している業務があるかどうかを尋ねた。その結果、「ある」と回答したのは86.6%と9割近くに上った。

 用途別では、給与計算システムの計算結果を検証するために表計算ソフトウェアを利用する「検算Excel」が45.0%で最も多かった。異動といった将来の変動情報を適用月まで管理するために利用する「備忘録Excel」が43.6%、自治体別の住民税や履歴を管理するために利用する「住民税・変更履歴Excel」が32.0%で続いた。

「Excelなし」で完結しないのはなぜ?

 従業員の昇給や住所変更、扶養変更などが決まった際の給与計算システムへの反映方法を尋ねたところ、変更データを表計算ソフトウェアに別途蓄積しておき、適用月になったタイミングで手動転記したり、CSVファイルで一括して取り込んだりするとの回答が36.4%で最多だった(図1)。メモやチャット、メールなどに記録をためておき、月末の給与計算時期にまとめてシステムに入力するとの回答も12.2%あった。

画像 図1 従業員情報の変更が決まった際の給与システムへの反映方法(出典:LayerXのプレスリリース)《クリックで拡大》

 給与計算結果の確定前チェックが、システム内の確認のみで完結するとの回答は10.6%にとどまり、89.4%は人力によるチェックを実施していた(図2)。チェック方法としては、給与データと人事データをそれぞれCSVファイルで出力し、検算Excelで一致するかどうかを検証するとの回答が最多(67.1%)となった。

画像 図2 給与計算結果の確定前チェックで実施している作業(出典:LayerXのプレスリリース)《クリックで拡大》

 LayerXは、こうした手作業が必要になる理由として、人事マスターや給与マスターなどのデータが分離していたり、変更反映月の指定や過去履歴の保持ができなかったりするシステムがあることを挙げる。調査は、給与計算システムを活用して「給与計算業務」に関与している担当者を対象に、2026年7月9〜10日に実施した。有効回答数は500人。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

ID・パスワードから始める「引き算」のセキュリティ〜ゼロトラスト狂騒曲の果てに
その「AIコーディング」は本当に必要か?
Microsoft & Windows最前線2026
4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。