利用するWebサービスが増えるほど、パスワードの管理は難しくなる。安全性を考えればサービスごとに異なるパスワードを設定したいところだが、現実にはそう簡単ではないようだ。300人を対象にした調査から、パスワード管理の実態が明らかになった。
利用するWebサービスやアプリケーションが増える中、パスワードをはじめとする認証情報をどう安全に管理するかが課題だ。
Webメディアの運営などを手掛けるAZWAYが実施した調査で、ユーザーが安全性に不安を感じながらも、パスワード管理に関して十分な対策を取れていない実態が浮かび上がった。
AZWAYは2026年8月27日、パスワード管理の実態を探るアンケート調査結果を発表。20〜60代の男女300人を対象に、パスワードの使い回しや管理方法、管理する上で困った経験などを尋ねたものだ。調査は2026年6月7〜13日にインターネットで実施した。
パスワードの使い回し状況を尋ねたところ、最も多かったのは「2〜3パターンを使い分けている」で54.3%。「重要なサービスだけ別にしている」が19.3%、「ほぼ全サービスで同じパスワード」が10.7%だった。これらを合わせると、84.3%が何らかの形でパスワードを使い回していることになる。
「すべて異なるパスワードにしている」と回答した人は15.7%にとどまっている。
なぜパスワードの使い回しをやめられないのか。
最も多かった理由は「覚えきれない」で48.0%だった。「変えるのが面倒」が23.0%、「今まで被害がないから」が7.3%、「管理方法が分からない」が2.7%と続いた。「やめている(使い回ししていない)」との回答は19.0%だった。
背景には、管理しなければならないパスワードそのものの多さもありそうだ。パスワードが必要なサービスの数を尋ねると、「多すぎて数えきれない」が29.7%で最多だった。同様に2位以下は次の通り。
実際、パスワードをどのように管理しているのか。複数回答で尋ねたところ、「頭で記憶している」が43.0%で最多だった。次いで「スマホのメモアプリに保存」が39.0%、「紙のメモ・手帳に書いている」が33.3%、「ブラウザの自動保存に任せている」が30.0%だった。
「1Password」などのパスワード管理アプリを利用している人は17.7%にとどまった。「Microsoft Excel」やスプレッドシートに記録している人も6.7%いた。
パスワード管理の負担は、セキュリティ上のリスクだけでなく、日常的なトラブルにもつながっている。
パスワード関連で困った経験については、「パスワードを忘れてログインできなくなった」が79.0%で最多だった。「パスワードリセットを何度もしている」も29.0%に上った。
さらに、「不正アクセス・乗っ取りの被害にあった」と回答した人は10.3%、「使い回しが原因で複数サービスに被害が出た」という人も1.7%いた。
パスワードを使い回す人が多い一方、セキュリティ上のリスクを不安視する人は少なくない。
パスワード管理で最も不安なことを尋ねたところ、「情報漏えい」が57.7%で最多だった。次いで「パスワードを忘れること」が23.0%、「自分に何かあったとき家族が困ること」が9.0%、「管理メモ自体を紛失すること」が8.0%だった。「特に不安はない」は2.3%にとどまった。
二段階認証については、「一部のサービスだけ設定」が54.3%で最も多く、「可能なサービスにはすべて設定している」が38.3%だった。「設定していない」は6.3%、「二段階認証を知らない」は1.0%だった。
パスワードを「安全に管理したい」という意識がある一方で、利用するサービスの多さやパスワードを覚える負担、管理方法への不安といった課題が複合的に存在している。安全性と管理のしやすさをどう両立するかが、パスワード管理の課題となっている。
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