愛媛県庁は、従来採用してきたローカルブレークアウトを含めたネットワーク構成を見直し、クラウドサービスの利用拡大を見据えた構成とPC利用環境を整備することにした。
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ネットワークの三層分離モデルを採用してきた自治体においても、クラウドサービスの利用拡大に伴い、ネットワーク構成やセキュリティ対策、職員が利用するPC環境を見直す動きがある。
愛媛県庁では従来、自治体ネットワークの三層分離モデルとして「α’モデル」を採用し、「ローカルブレークアウト」によって一部のクラウドサービスを利用できる環境を整えてきた。だが利用できるクラウドサービスに制約があった他、職員が業務に応じて複数の「物理PC」や「仮想デスクトップ」を使い分ける煩雑さが残っていた。
そこで同庁は、クラウドサービスの利用拡大を見据えた新たなネットワーク構成に移行。それと同時に、PC環境についても“使い分け”をせずに安全性を確保できる仕組みへと見直すことにした。
愛媛県庁の次期ネットワーク基盤では、インターネット接続系を中心とする三層分離の「β’モデル」に移行する。「マイナンバー利用事務系」「LGWAN接続系」「インターネット接続系」の3層構造を維持しながら、クラウドサービスを利用できる範囲を広げる構成だ。併せて、南海トラフ地震などの大規模災害を想定し、庁外から業務を継続できるネットワーク環境を整備する。
従来、愛媛県庁が採用していたα’モデルは、職員が普段使用する端末や業務システムをLGWAN接続系に配置し、ローカルブレークアウトの仕組みを使うことで一部のクラウドサービスへのアクセスを可能にする方式。愛媛県庁は今後のクラウドサービス利用拡大を見据え、主要端末をインターネット接続系に設置するβ’モデルへの移行を決定したという。
従来のネットワーク構成では、職員は閉域SIMを使うことで社外からでも庁内システムに接続できる環境にある。次期ネットワーク基盤では、Cato Networksが提供するSASEサービス群「Cato SASE Platform」を導入する。閉域SIMの契約が終了した後も、一般的なインターネット回線を経由して庁内システムやクラウドサービスにアクセスする際の安全性を確保する。
具体的には、以下の4つの機能を利用できるようにする。
β’モデルへの移行によって、職員の業務環境はLGWAN接続系からインターネット接続系を中心とする構成に変わる。これに伴い、愛媛県庁はSASEに加えて、「EPP」(Endpoint Protection Platform)と「EDR」(Endpoint Detection and Response)を新規で導入する。さらに、各セキュリティシステムのログやアラートを一元的に監視・分析し、有事の際は速やかに対処するための「SOC」(Security Operation Center)を新設する。
PCの配備も見直す。従来、職員はマイナンバー利用事務系、LGWAN接続系、インターネット接続系の業務に応じて、複数の物理PCや仮想デスクトップを使い分けており、操作や運用が煩雑になっていた。そこでβ’モデルへの移行に合わせ、ハミングヘッズのPC内論理分離ソフトウェアを採用する。
これにより、1台の物理PCだけでネットワークの接続先やデータ、アプリケーションなどを3層の業務ごとに切り分けられるようになり、セキュリティを保ったまま職員はネットワークの分離を意識せずに業務を行える。愛媛県庁は、PCの台数削減や仮想デスクトップの廃止による運用負荷とコストの削減を見込んでいる。
同事例については、ネットワンシステムズとSCSKセキュリティが2026年8月6日、愛媛県庁の次期ネットワーク基盤を受注したと発表した。同ネットワーク基盤の稼働開始は2027年1月を予定している。
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