クラウド利用の広がりによってアタックサーフェスが拡大し、シャドーITのリスクも浮上している。ID、端末、データ、クラウドの利用状況を一元的に把握、管理してリスクを統合的にコントロールするセキュリティ体制の構築が急務だ。千葉銀行は、どう対応したのか。
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千葉銀行は千葉県を拠点とする地域金融機関だ。傘下のグループ企業や関連団体を含めた20以上の組織をまたぐ情報連携の強化を課題に掲げ、グループ共通のDX(デジタルトランスフォーメーション)基盤作りを目指して「Microsoft 365」の活用を進めてきた。一方で、この構想には、情報資産のセキュリティを確保しながらクラウドを安全に利用できる体制に移行する必要があった。
同時に、世間的に情報漏えいのリスクが大幅に高まっている他、クラウド利用の広がりによって外部から狙われる範囲(アタックサーフェス)が拡大し、把握し切れないIT機器やサービスの利用(シャドーIT)といった新たなリスクも浮上していた。こうした状況を受け、ID、端末、データ、クラウドの利用状況を一元的に把握、管理してリスクを統合的にコントロールするセキュリティ体制の構築が急務となっていたという。
こうした背景から千葉銀行は、設計段階から運用段階までを見据えた一貫性のあるセキュリティ変革を目指し、Microsoft 365の中でも最上位プランに位置付けられる「Microsoft 365 E5」ライセンスの導入を決定。導入を共に進めるパートナーとしてアバナードを選んだ。同社選定の決め手となったのは、Microsoft製品への深い知見に加え、個々の技術にとどまらず全体のアーキテクチャを見据えた提案ができる点だったという。
アバナードはプロジェクトの立ち上げ期からファシリテーターとして関わり、各種タスクの整理段階から伴走を開始した。技術領域では、Microsoft 365 E5が備えるセキュリティ/コンプライアンス機能を軸としたアーキテクチャの設計をはじめ、「Microsoft Purview」を活用したデータ保護、複数の「Microsoft Defender」製品群による脅威対策、「Microsoft Sentinel」を用いた監視基盤の整備まで、技術面を一貫して支援した。
支援は技術面にとどまらず、情報管理に関する規定の整理や、「現場の業務運用にセキュリティ機能を、どう組み込むか」という設計にも及んだ。プロジェクトが後半に差し掛かると、運用面の設計やSOC(Security Operation Center)体制の検討にも加わり、実運用開始後を想定した監視の仕組み作りや運用フローの整備、行員への知見継承の計画作りまで支援したという。
新しいセキュリティ環境は2026年3〜4月に順次切り替えが行われ、実運用がスタートした。これまで個別に存在していたセキュリティ施策を一本化する基盤が整ったことで、ID、端末、データ、クラウドの利用状況を一体的に監視できる体制を構築した。併せて、アバナードがPMO(Project Management Office)に近い役割を担って全体を取りまとめたことも、プロジェクトの安定した推進を後押ししたとしている。
現在もアバナードは千葉銀行と連携しながらSOCの運営体制作りを進めており、日常的な運用のサポートに加え、担当メンバーのスキル向上にも力を入れている。今後についても、整備した基盤をベースに監視や運用の高度化を進めながら、両社一体でプロジェクトを継続していく方針だという。本事例は、アバナードが2026年8月7日に公表した。
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