データを活用したくても、複数のシステムにデータが分散していては横断的な管理や活用は難しくなる。アクサ・ジャパンはデータインフラの刷新によって、こうしたデータのサイロ化を解消した。どう変えたのか。
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アクサ生命保険やアクサ損害保険などから成るアクサジャパングループ(以下、アクサ・ジャパン)では、データドリブンな意思決定が広く浸透しており、従業員の半数以上が積極的にアナリティクスを活用しているという。データを扱うシステムには、Amazon Web Services(AWS)のデータウェアハウス(DWH)サービス「Amazon Redshift」や、Oracleのデータベースシステムなどを利用してきた。
データを活用しやすくするために、アクサ・ジャパンの各現業部門はそれぞれ、独自のデータレイクやアプリケーションを構築してきた。その結果、複数のデータインフラにまたがってデータを管理する状態となり、データがサイロ化していた。同グループは生命保険事業と損害保険事業の統合を進める中、意思決定に用いるデータのアクセス性や信頼性、活用のスピードを高めるために、サイロ化を解消する必要性が生じていたという。
課題を解消するために、アクサ・ジャパンはデータインフラの見直しに着手した。結果としてデータのサイロ化を解消し、データインフラに関するコストを大幅に削減するといった効果を得たという。具体的に何をどう変えたのか。
アクサ・ジャパンは、Amazon RedshiftやOracleのデータベースシステムを使ったデータインフラを段階的に廃止した。併せて現業部門ごとに個別に存在していたデータレイクを、Databricksの同名データレイクハウス(データレイクとデータウェアハウスの機能を兼ね備えた仕組み)システムに集約し、新たなデータインフラとして整備した。
OracleのデータベースシステムとInformaticaのデータ統合ツールで構築していたETL(データの抽出、変換、読み込み)処理のロジックについては、DatabricksのSQLクエリ実行ツール「Databricks SQL」で直接実行するSQLベースの処理に変換した。
Databricksの選定に当たって、アクサ・ジャパンはデータを単一のデータレイクハウスに集約してアクセス性を高め、データのガバナンスを一元化できることを評価した。将来的なAI活用を見据えて、AIモデルの開発・運用を管理する「MLOps」を実現できることも選定を後押しした。
データインフラをDatabricksに集約した結果、アクサ・ジャパンはデータインフラ関連のコストを最大60%削減したという。Oracleのデータベースシステムを稼働させていたサーバも廃止したことで、データインフラのメンテナンスの負担も軽減できた。
これまで現業部門ごとに分散していたデータを横断的に分析できるようになり、部門横断的な知見を得やすくなった。Databricksに蓄積したデータへのアクセスを一元管理する「Unity Catalog」を活用し、単一のデータインフラを維持しながら、現業部門間でデータへのアクセスに境界を設けられるようにした。
アクサ・ジャパンは今後、Databricksを活用して、不正検知やカスタマーサポートの自動化など、機械学習を生かしたシステムのプロトタイプ開発と本番運用への移行を進める方針だ。
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