家具・インテリア用品のニトリが、店舗販売や配送業務を支える基幹システムを刷新。6時間弱かかっていた需要予測の計算処理が1時間半に短縮したという。どのような構成に変更したのか。
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店舗の営業が始まるまでに、必要なデータの処理が終わらない――。家具・インテリア用品大手のニトリホールディングス(以下、ニトリ)は、店舗販売や配送関連業務などを支える基幹システムで、こうした問題を抱えていた。
従来、ニトリは基幹システムのアプリケーションをオンプレミスの仮想化基盤で稼働させ、データベースには「Oracle AI Database」を利用していた。
問題となっていたのは、日次で実行する需要予測の計算処理だ。ニトリが内製したこの処理は、開始から終了まで6時間弱を要し、翌日の始業に間に合わない状況が生じていた。自動発注処理も長時間化しており、今後の事業拡大に向けて処理能力の確保が課題となっていた。
こうした課題を受け、ニトリは基幹システムのインフラを刷新した。その後は、需要予測の計算処理が6時間弱から1時間半に短縮されたという。インフラをどのように見直したのか。
ニトリは国内外で事業を拡大しており、店舗数や取り扱うデータ量も増加している。特に春の需要期にはシステムへの負荷が高まるため、基幹システムには繁忙期でも安定して処理を実行できる性能が求められる。
こうした中で、ニトリが新たな基幹システムの基盤として採用したのは、Oracleのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)だ。
データベース基盤には「Oracle Exadata Database Service」を採用した。これは、Oracle Databaseの処理向けに設計されたExadataをクラウドサービスとして利用できるものだ。
一方、アプリケーション基盤には「Oracle Cloud VMware Solution」を採用した。OCI上でVMware製品による仮想化基盤を構築、運用できるサービスで、オンプレミスで使っていた仮想マシンをクラウド上でも稼働させられる。
災害対策(DR)の構成も整備した。Oracle Databaseのデータ複製・同期機能「Oracle Data Guard」を利用し、OCIの東京リージョンと大阪リージョンの間でデータを継続的に同期する構成を採用した。一方のリージョンに障害が発生した場合に備え、2つのリージョンを利用して事業継続性を確保する仕組みだ。
今回の移行プロジェクトには、SCSKとアシストが参画した。SCSKはインフラ刷新プロジェクト全体の推進とOCI上のアプリケーション基盤の構築を担当し、アシストはデータベース基盤の検討と移行を支援した。
日本オラクルによると、ニトリの主要な処理の性能は、旧環境と比較して最大約4倍に向上した。日次で実行する需要予測計算処理は、従来の6時間弱から1時間半に短縮されたことで、翌日の業務を開始できる時刻を大幅に前倒しできたという。
データベースの処理待ちを示す「待機イベント」も大幅に減少した。OCIとExadataの処理性能を生かすことで、安定したシステム運用が可能になったとしている。
災害対策の面でも改善があった。DR環境への切り替え運用に必要な時間は、従来の12時間から3時間に短縮された。
刷新した基幹システムは、2026年春の需要期にも安定稼働を継続した。売り上げやデータ量が増加する中でも、処理性能の不足に起因するシステム停止を回避できたという。これにより、障害対応に伴うIT部門の負担だけでなく、店舗や物流などの現場で発生する業務ロスも抑えられたとしている。
コスト面では、削減そのものを移行の主目的としていなかったものの、移行後の運用コストは当初の見込みの約8割に収まったという。
2026年9月15日に日本オラクルが本事例を発表した。
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