企業で生成AIやAIエージェントの活用が広がる一方、IT部門が把握していない「シャドーAI」のリスクが顕在化しています。経営層と現場の認識にはなぜズレが生じるのでしょうか。AI活用とガバナンスを両立させる方法を考えます。
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サイバー攻撃が連日のように続いています。そうした中で「うちは大丈夫か」「不正アクセスされているのか」「漏えいしていないのか」などと言われても、セキュリティ対策状況によっては回答が難しいこともあるでしょう。ならば、せめて対策の基礎を見直し、改めて徹底してみてはいかがでしょうか。ここでは、今こそもう一度読みたい「対策見直しに役立つニュース」をピックアップ。今すぐできるチェックと対策をご紹介します。
初出:2026年09月06日 文中の記述は掲載当時のママ
生成AIやAIエージェントの業務活用が本格化する中、企業の情報システム部門やセキュリティ部門が把握しきれない「シャドーAI」のリスクが深刻化しています。
利用できるAIの種類や機能が急速に増える中、従来のようにIT部門が全てを把握し、審査し、管理するやり方は限界を迎えつつあります。
かといって、業務効率化への期待が高まる中、現場が必要とするAIを迅速に利用できなければ、かえって管理の目が届かないAI利用の拡大を招く恐れもあります。
では、企業はAI活用の推進と統制をどう両立すればよいのでしょうか。経営と現場のギャップ、Gartnerの提言、メルカリの実践事例から対策の「仕組み」を考えます。
シャドーAIを考える上で、まず直面するのが経営層と従業員の間にある「認識のすれ違い」です。IDおよびアクセス管理(IAM)を手掛けるOkta Japanが2026年5月に公表したグローバル調査「AI Agents at Work 2026」は、「管理できている」と考える経営側と、実際の現場との間にある大きな隔たりを浮き彫りにしています。
7カ国の経営幹部と従業員を対象にした同社のレポートでは、日本の経営幹部の54%は「自社のAI利用ポリシーは明確」だと回答しました。これはグローバル全体の65%を下回るものの過半数を占めています。
ところが、同様に回答した日本の従業員は22%にとどまり、調査対象国の中で最も低い水準となりました。さらに従業員の78%は「公式のAI利用ポリシーを見つけられない」と回答しています。経営側がルールを定めたつもりでも、現場まで届いていない実態がうかがえます。
より顕著なギャップが見られたのが、AI利用の可視化に関する回答です。「AIツールの利用状況を可視化できている」と回答した日本の経営幹部は84.6%に上り、グローバル全体の90%に近い水準でした。
しかし、日本の従業員の47.5%は「未承認のAIツール(シャドーAI)を利用している」と回答しています(グローバル全体は52%)。
経営陣が「把握している」と考えている裏で、現場の半数近くがシャドーAIを使用しているのが現実です。AIガバナンスの第一歩は、この認識と実態のギャップを直視することから始まります。
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