金融機関向けSaaSに必要な三つの要件。Oracle Exadataはどう応えたか:野村総合研究所が選択したDB基盤(4/4 ページ)
金融機関のミッションクリティカルな業務で利用されるクラウドサービスには、当然ながら可用性やパフォーマンス、災害対策などを高いレベルで実現することが求められる。これらの要件を満たしたサービスを提供する野村総合研究所では、国内銀行業界で高いシェアを誇る金融機関向けSaaS「BESTWAY/JJ」のデータベース基盤に「Oracle Exadata」を採用した。[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][Engineered System]
Oracle Exadata導入は「非常にメリットのある選択」。今後はマルチテナント、Oracle VM、セキュリティソリューションの活用を検討
このように一部で手を入れる必要はあったものの、BESTWAY/JJが求めるシステム特性に対して、Oracle Exadataは「非常にフィットする」と竹本氏らは判断し、導入の最終決断を下した。そしてOracle Exadataの導入を、「非常にメリットのある選択だった」と評価している。
「オンライン処理について、従来のシステムでは大量検索のリクエストに関して1日当たり20〜30件のタイムアウトが発生し、お客さまからクレームをいただいていました。これに対して、Oracle Exadataへの移行後、タイムアウトは実質ゼロとなりました。バッチ処理も高速化され、日次バッチ処理は2時間の短縮、月次バッチ処理もピーク月で18時間も短縮と、大幅に処理を高速化できたと報告を受けています。将来的なデータ量の増大についても、旧システムの8倍のデータを格納することが可能です。これらの成果を総合的に判断すると、ITサービスのコスト削減、金融品質の実現、データ量/性能対策のそれぞれについて、BESTWAY/JJへのOracle Exadataの導入は、非常にメリットのある選択だったと考えています」(竹本氏)
また、今後の取り組みとして、竹本氏は「Oracle Exadataを別のかたちで活用するための検討を始めている」と話し、最新モデルであるOracle Exadata X5-2への期待を語った。
「『Oracle Exadata X5-2』と『Oracle Database 12c』を使ってマルチテナント機能による『PDB(Pluggable Database)』を活用すれば、DBaaS(Database as a Service)としてより効率的にデータベース基盤を運用することができます。そして、最も期待しているのは『Oracle VM』との組み合わせです。Oracle VMによってOSレベルでのパーティショニングを行えば、利便性がさらに高まります。セキュリティ対策に関しては、『Oracle Database Vault』や『Oracle Advanced Security』といったツールが金融機関にとっても使いやすくなりつつあるので、これらを使わない手はないかなと思っています」(竹本氏)
以上、ここではNRIの金融機関向けクラウドサービスBESTWAY/JJにおけるOracle Exadataの導入事例を紹介した。銀行業界で80%のシェアを誇る同サービスのデータベース基盤に同社が課したコスト削減、品質、データ量/性能の厳しい要求に応えたOracle Exadata。さらなるサービス向上と効率化に向けて、NRIにおける活用はさらに続く。
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