VirtualBoxでLinuxのテスト環境を作ってみよう:“応用力”をつけるためのLinux再入門(2)(3/3 ページ)
Linuxを試したり、勉強したりするための環境を作るには、「仮想化環境」を使うと便利です。今回は、「VirtualBox」でLinuxのテスト環境を作成する手順を解説します。
Guest Addtionsのインストール
ゲストOSを操作しやすくするためのソフトを「Guest Addtions CD」からインストールします。VirtualBoxの「デバイス」→「Guest Addtions CDイメージの挿入」を選択します(画面24)。マウスがゲストOS側にキャプチャーされてVirtualBox側が操作できない場合は、右側の[Ctrl]キーを押してキャプチャーを解除してから操作します。
「Guest Addtions CDイメージの挿入」は“ゲストOSにCDが挿入される”という動作になります。CentOS 7の場合「実行してみますか?」というメッセージが表示されるので「実行する」をクリックします(画面25)。
管理者のパスワードが要求されるので、入力して「認証」をクリックします(画面26)。
端末画面が開き、Guest Addtionsのインストールが始まります(※)。「Press Return to close this window...」と表示されたら[Enter]キーを押します(画面27)。
【※】Guest Addtionsのインストールには開発ツールが必要です。「ソフトウェアの選択」で開発ツールを選択していない場合は、右上のネットワークアイコンでネットワーク接続を有効にして「アプリケーション」→「システムツール」→「ソフトウェア」で「パッケージ」で開発ツールをインストールしましょう。
[Enter]キーを押すとインストールが終了し、端末画面が閉じます。いったん再起動しましょう。画面右上のユーザー名をクリックして「電源オフ」をクリックします(画面28)。
「電源オフ」画面が表示されるので「再起動」をクリックします(画面29)。
再起動すると、デスクトップのサイズを変更できるようになります(画面30)。VirtualBoxで「表示」→「ゲストOSの画面を自動リサイズ」がオンになっていると、VirtualBoxのウィンドウサイズに連動してゲストOS解像度が変化します。CentOS側でサイズを指定する場合は「アプリケーション」→「設定」→「ディスプレイ」で解像度を選択します。
インストール後のソフトウェア追加とデスクトップ環境の切り替え
CentOSでWebブラウザを使ったり、ソフトウェアを追加するには、ネットワーク接続を有効にします。画面右上のネットワークアイコンをクリックして接続を「ON」にします(画面31)。
ソフトウェアは、メニューの「アプリケーション」→「システムツール」→「ソフトウェア」から追加できます。例えば、KDEデスクトップを追加する場合は、「パッケージコレクション」で「KDE(kde-desktop)」を選択して「変更を適用」をクリックします(画面32)。認証を求めるメッセージなどが出たら画面に従って入力します(※)。
【※】「ソフトウェア」にないパッケージのインストール方法についてはこの後の連載で取り上げます。
デスクトップ環境は、ログイン時のパスワード入力画面で切り替えることができます(画面33)。CentOS 7に「KDE」をインストールすると「KDE Plasma Workspace」が選択可能になります。なお、「GNOME Desktop」のデフォルトは「GNOMEクラシック」です。
「KDE Plasma Workspace」で起動した画面です(画面34)。アプリケーションは左下のボタンから起動します。
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筆者紹介
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、出産・子育てをしながらライターとして活動。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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