WSDLをうまく使いWebサービスをオートマ運転パソコンで試してわかるWebサービス(7)(1/4 ページ)

» 2003年03月11日 00時00分 公開
[イチロー樋口研究室監修]

 「Webサービス」という言葉は、ほとんどのIT技術者が知る単語になりました。しかし、「Webサービスって何?」と聞くとさまざまな答えが返ってきます。これはWebサービスが多くの技術要素で成り立ち、さまざまな使い方があり、適用範囲が広いためです。そこで、この連載では、この広大なWebサービスの世界すべてを知るのではなく、最も基本となる技術を実際にプログラムを作りながら身に付けていただこうと思います。「SOAPとは何か?」「WSDLとは何か?」など、実際に自分のPCで操作し、動かしながら理解していくことにしましょう。

樋口研究室とは?

トレンドの追っかけから、技術検証まで、コンピュータに関するあらゆる分野でただ知的好奇心を満たすためだけに研究に没頭する技術集団。メンバーが運営するホームページ(以下のURL)もある。

http://www.ibm.com/jp/software/websphere/developer/tips/kouza/index.html


今回の目的は「WSDLをうまく使う」

 この連載もだいぶん終わりが近づいてきました。ここまでくるとパソコン上のAxisを使ったWebサービスの運転にもだいぶん慣れてきたと思います。そして、Webサービスを知る7つのステップもだんだん「W」の文字が浮かび上がってきました。

今回のステップは「WSDLをうまく使う」 今回のステップは「WSDLをうまく使う」

 さて、今回は第6回「WSDLでWebサービスを記述する」の続きです。第6回では2つのことを解説しました。1つはWebサービスの実行には「Webサービス・プロバイダ」と「Webサービス・リクエスター」がいるということ。そしてもう1つは、このWebサービス・プロバイダが「サービス」を提供する際に「WSDL」を提示することで、そのサービスがどのような仕様であるかを外部に伝えられることです。

WebサービスとWSDLファイルは対の関係。WSDLファイルからWebサービスの仕様が分かる WebサービスとWSDLファイルは対の関係。WSDLファイルからWebサービスの仕様が分かる

 さて、このWSDLファイルを参照するのは誰になるでしょうか? そうです。Webサービス・リクエスターがこのWebサービスを使うために、WSDLファイルを読んでWebサービス・クライアントを作成することは容易に想像がつくでしょう。

WSDLファイルからWebサービス・クライアントを作成する WSDLファイルからWebサービス・クライアントを作成する

 しかし、WSDLファイルを読んで、Webサービス・クライアントを手で書いていたのでは面白くありません。というのも、それではWSDLを使わず、これまでのように仕様を聞き出して作る方法と比べてあまり便利になっていないからです。WSDLファイルはXMLで記述されているのですから、これをうまく使わない手はありません。

 そこで今回は、Webサービス・リクエスターがWSDLファイルを賢く使う方法を解説します。すなわち、上図の「?」部分をなるべく簡単に行うことこそ、Webサービスを「オートマ運転」することになります。

 今回はWSDLファイルからWebサービス・クライアントを作り出すことにトライしましょう。しかもなるべく簡単にです。

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