最新のビジネス向けPCを解剖する2. エプソンダイレクト Endeavor MT-4000 (2)デジタルアドバンテージ2000/09/08 |
10BASE-T/100BASE-TXイーサネットには3Com製コントローラを使用
3Com製イーサネット コントローラ |
3ComのPCIイーサネット カード3C905C-TXと同等機能を持つ。 |
本機はネットワーク機能として、10BASE-T/100BASE-TXイーサネット インターフェイスを標準装備しており、ツイスト ペア ケーブルを接続するRJ-45端子が、背面のI/Oパネルに設置されている。イーサネットはもはや企業内では必須であり、最近は家庭でもケーブル インターネットなどでイーサネットを利用する機会が増えているので、この仕様は好ましい。
面白いことに、本機ではIntel 815Eチップセット内蔵のイーサネット コントローラではなく、なぜか左の写真にある3Com製イーサネット コントローラをわざわざ搭載している。Intel 815Eチップセットに内蔵のイーサネット コントローラ自体は完全に無効化されており、Windows OSからはデバイスとしてまったく見えない。物理層チップ(イーサネット ケーブルの信号を直接送受信するチップ。PHYチップともいう)を搭載したCNRカードをスロットに装着すれば、Intel 815E内蔵イーサネット コントローラを使えるようになるかもしれない(ただし前述のようにそれは保証範囲外である)。
着脱の面倒な3.5インチ ハードディスク ベイ
3.5インチ ハードディスク ベイ |
試用機にはUltra ATA/66対応の20.5Gbytes IDEハードディスクが組み込まれていた。 |
本機は、前面アクセスの必要な5.25インチ ドライブを2台、3.5インチ ハードディスク(厚さ1インチ )を2台、そして3.5インチ フロッピードライブを1台、内蔵できる。このうち増設作業が面倒なのが、3.5インチ ハードディスクのベイだ。右の写真のように、このベイにはスライド式のレバーロックが付いており、一見するとこのレバーを引くことで簡単にハードディスク ベイが取り外せそうだ。しかし、実際にはフロント パネル側からネジ止めされているため、このベイを外すには、フロントパネルを取り外す必要があり、結構面倒な作業になる。またネジ止めも1個所だけなので、レバーをロックする位置にしても、ベイ全体が少しガタつくのが気になった。
5.25インチ ドライブの装着方法は、一般的なネジ止め方式で、ケース両側の側板を外し、ドライブの両側から2本のネジで固定する。レールなどは不要だ。
USBは1コントローラ2ポートのみ
ちょっと残念だったのは、Intel 815Eチップセットが2個のUSBコントローラを内蔵しており、4個のUSBポートを実装できるにもかかわらず、本機ではコントローラを1個しか利用できないことだ。USBハブを用いれば、接続可能なUSBデバイスの数は増やせても、コントローラが1個だけだと転送帯域は最大12Mbits/sまでである。一方、コントローラが2個なら、ストレージ デバイスなど帯域を消費しやすいUSBデバイスを各コントローラに割り振ることで、それぞれ12Mbits/s、合計24Mbytes/sの帯域を利用できる。つまりUSBのパフォーマンスを高められるはずなのだ。
マザーボード上には、2番目のコントローラにつなぐUSBのヘッダ コネクタが用意されているが、本機では開いたままだ。これはCNRスロットにも接続されており、適切なCNRカードを装着すれば2番目のコントローラを有効利用できるのだが…。
価格と仕様のバランスがとれているPC
MT-4000は、現時点でCNRの未サポートなどIntel 815Eチップセットの機能を100%引き出しているわけではなく、また特に目立った機能を持っているわけでもない。しかし、シンプルな構成ながら、事務などのビジネス向けPCとしては、必要十分な機能を標準装備している。また、拡張性はブックシェルフ型PCほど低くなく、設置面積はミドルタワー型PCより抑えられている、といった具合に、バランスがよく取れている。
今回評価したもう1機種のコンパック Deskpro ENに比べると、セキュリティ対策や管理機能はそれほど充実していない。その半面、Celeron-600MHz、メモリ64Mbytes、ハードディスク7.5Gbytesという最小構成で7万2500円から(2000年9月上旬時点での価格)と、このクラスのPCにしてはかなり安価な部類に入る。価格と仕様もバランスが取れたPCといえるのではないだろうか。SOHOや企業の部署単位など、PCの管理コストがそれほどかからない規模のオフィスで、ビジネス アプリケーションを利用するクライアントPCとして導入するのに、本機は適している。
試用したEndeavor MT-4000の仕様
ベンダ名 | エプソンダイレクト | |
製品名 | Endeaver MT-4000 | |
販売形態 | 直販 | |
価格 | 12万5000円 | |
発表日 | 2000/07/10 | |
ハードウェア仕様 | ||
プロセッサ | 製品名 | Intel Pentium III-866MHz |
ソケット | Socket 370×1個 | |
マザーボード | 製品名 | ASUSTeK Computer製 CUCL2-M |
フォームファクタ | microATX | |
チップセット | Intel 815E | |
BIOS | Award BIOS | |
メインメモリ | 容量(標準/最大) | 128Mbytes/512Mbytes |
メモリ モジュールの種類 | PC133 SDRAM DIMM | |
メモリ ソケット数 | 2本 | |
ハードディスク | タイプ | Ultra ATA/66対応IDEハードディスク×1台 |
インターフェイス | Ultra ATA/100対応IDE×2ポート | |
容量 | 20.5Gbytes | |
リムーバブル ストレージ | フロッピードライブ | 3モード3.5インチ フロッピードライブ×1台 |
CD-ROMドライブ系 | 最大40倍速ATAPI CD-ROMドライブ×1基 | |
グラフィックス | アクセラレータ | チップセット内蔵グラフィックス回路 |
スロット | AGPスロット(AGP Pro対応) | |
メモリ容量 | 4Mbytes〜11Mbytes(メイン メモリ共有) | |
最大表示解像度 | 1280×1024ドット/1677万色 | |
ネットワーク | 仕様 | 10BASE-T/100BASE-TXイーサネット(自動切り換え) |
コントローラ | 3Com 3C920 | |
サウンド | チップセット内蔵サウンド回路(AC‘97対応) | |
キーボード | PS/2日本語109キーボード | |
マウス | ホイール付きPS/2マウス | |
スピーカ | 外付けのみ(オプション) | |
ケース スタイル | ミニタワー型 | |
フロントパネル | 電源スイッチ、電源インジケータ、HDDアクセス インジケータ | |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 170×345×357mm | |
重量 | 約9kg | |
電源容量 | 142W | |
インターフェイス | ||
ディスプレイ | ミニD-Sub 15ピン×1 | |
IDEインターフェイス | Ultra DMA/100対応IDE×2ポート | |
ネットワーク | RJ-45×1ポート | |
サウンド | ライン入力/ライン出力/マイク入力/MIDIまたはゲーム ポート | |
USB | 背面×2ポート(1コントローラ) | |
シリアル ポート | D-Sub 9ピン×1ポート | |
パラレル ポート | D-Sub 25ピン×1ポート | |
キーボード/マウス | PS/2×2ポート | |
拡張性 | ||
拡張スロット数(カッコ内は空きの数) | AGP×1(1)、PCI×3(3)、CNR×1(1) | |
前面アクセス可能なドライブ ベイの数(かっこ内は空きの数) | 5.25インチ×2(1)、3.5インチ×1(0) | |
内蔵ドライブ ベイ(カッコ内は空きの数) | 3.5インチ×2(1) | |
ソフトウェア | ||
プレインストールOS | Windows 98 Second Edition | |
主な付属ソフトウェア | McAfee Virus Scan(ウイルス対策)、Adobe Acrobat Reader 4.0(ドキュメント リーダ) | |
試用したエプソンダイレクト Endeavor MT-4000の仕様 |
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本機はBTO(Built To Order)により発注時に仕様を変更できるので、上記はその一例に過ぎない。本機で変更できる仕様の詳細については、エプソンダイレクトのBTOプランを参照していただきたい。 |
次のページでは、コンパックコンピュータ Deskpro ENを評価する。
関連リンク | |
Endeavor MT-4000の製品情報 | |
マザーボードCUSL2-Mの製品情報 | |
CNRの仕様や製品情報など | |
Intel 815Eチップセットの製品情報 |
INDEX | ||
[特集]最新のビジネス向けPCを解剖する | ||
1. エプソンダイレクト Endeavor MT-4000 (1) | ||
2. エプソンダイレクト Endeavor MT-4000 (2) | ||
3. コンパックコンピュータ Deskpro EN (1) | ||
4. コンパックコンピュータ Deskpro EN (2) | ||
5. ビジネス向け最新デスクトップPCの傾向 | ||
「PC Insiderの特集」 |
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