今回はActive Directoryの導入による管理者のメリット、NTのドメインとActive Directoryとの違いなどについて見ていく。
本稿は、Windows 2000 Serverを対象とした連載です。Windows Server 2003向けの連載は以下のリンクから参照できます。
前回はActive Directoryの概要について解説した。今回は、Active Directoryの導入による管理者やユーザー側のメリットや、Windows NTのドメインとActive Directoryのドメインの違いなどについて見ていこう。
前回はActive Directoryの導入による管理者側のメリットをいくつか解説してきたが、ユーザーにもメリットはある。いつでもActive Directoryの登録情報を参照できるのであれば、そこに登録されている細かい情報を覚えておく必要がなくなるだろう。例えば、Active Directoryに社員全員のユーザー情報を登録しておくとする。そこにユーザー名だけでなく、各ユーザーの電子メール・アドレスも登録しておけば、社員のメール・アドレスを覚えておかなくても、Active Directoryに問い合わせればドメイン・コントローラに教えてもらうことができるようになる。
以下では具体例として、Active Directoryに登録されたメール・アドレス情報を利用して、メールを送信するためのユーザー側の手順を見てみよう。
1.[スタート]メニューの[検索]から、[人]を選択
2.検索したい人の名前を[名前]フィールドに入力し、[検索開始]をクリック
検索が終了すると、次のような結果画面が表示される。
3.検索結果からのメールの送信
4.設定されているメール・アプリケーションのメール作成画面が起動され、そのままメールを送信することができる
特に多数のユーザーを抱える大規模なネットワークでは、このようなActive Directoryを利用したメール送信機能を便利に使えるだろう。
いま述べたユーザー情報ばかりでなく、共有フォルダの検索もできる。社内に複数のファイル・サーバが存在する場合、どの共有フォルダがどのサーバに格納されているのかをいちいち覚えておかなくても、管理者がActive Directoryに共有フォルダ情報を登録しておけばユーザーはいつでも検索することができる。共有フォルダ情報を登録するには、次のように管理ツールの[Active Directoryユーザーとコンピュータ]を使って次のようにする。
[A]
逆にいうと、管理者はユーザーに利用させたい情報だけをActive Directoryに登録するようにする。逆に、利用させたくない情報は登録してはいけない。例えば、社員の自宅の電話番号を社内で公開する必要があるかどうかは検討の余地があるし、極論すれば給与明細のようなデータを公開する必要は絶対にないだろう(Active Directoryのスキーマを拡張すれば、このような情報を登録することも可能である)。
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