第2回 Exchange Server 2003のインストール基礎から学ぶExchange Server 2003運用管理(4/4 ページ)

» 2005年01月14日 00時00分 公開
[松本美穂IT Training Studio]
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インストール後の作業 〜Service Pack 1、セキュリティ修正プログラム〜

 インストール後は、最新のService Packとセキュリティ修正プログラムを必ずインストールしておこう。執筆時点(2004年12月)で公開されているService Packとセキュリティ修正プログラムは次のとおりである。

■Service Pack 1 以降のセキュリティ修正プログラム

【お詫びと訂正】2005年1月14日時点で公開した当初の記事では、「MS04-002:Exchange Server 2003の脆弱性により、権限が昇格する(832759)」も必要としていましたが、これはService Pack 1に含まれているので不要です。「Service Pack 1 以降のセキュリティ修正プログラム」は、MS04-035とMS04-036の2つです。お詫びして訂正させていただきます。


 また、Exchange Serverのオンライン・ヘルプもアップデート版が提供されているのでインストールしておこう。

1Gbytes以上の物理メモリを搭載している場合

 1Gbytes以上の物理メモリを搭載している場合は、boot.iniファイルやレジストリを修正することでメモリ使用を最適化できる。具体的な手順は、デプロイメント・ツールで「インストール後の手順の実行」をクリックし、「メモリ使用の最適化」リンクをクリックすると確認できる。

メモリ使用を最適化するための推奨手順
1Gbytes以上の物理メモリを搭載している場合は、この手順に従ってメモリの使用方法を最適化する。

ForestPrepとDomainPrepを個別に実行

 前出の8つのインストール手順が一覧されたページ((1)(7)の手順を省略した場所)の「(6)ForestPrep」と「(7)DomainPrep」は手順を省略しても、どちらも(8)のセットアップ中に内部で実行されている。しかし、個別に事前実行した方がよいケースもあるので、説明しておこう。

ForestPrepとは

 ForestPrep(Forest Preparation:フォレストの準備)は、Exchange Server用にActive Directoryスキーマを拡張する役割を担う。スキーマ拡張は、フォレストのスキーマ・マスタに対して行うものなので、実行は1回だけでよい(スキーマ・マスタは、デフォルトはフォレスト内に最初にインストールしたドメイン・コントローラ)。ForestPrepを事前実行した方がよいケースは次の2つである。

1.Exchange Serverのインストール・ウィザードを実行するアカウントにEnterprise AdminsとSchema Adminsグループの権限を与えたくない場合
 
ForestPrepの実行には、Enterprise Admins(フォレストに対するフル・コントロール)とSchema Admins(スキーマ変更可能)の権限が必要になる。しかし、どちらも特別な権限を持ったグループであり、Exchange Serverのインストール用とはいえ容易に与えるべきではない(Exchange Serverのインストール・ウィザードの実行にはこれらの権限は必要ない)。従って、ForestPrepはあらかじめ権限を持ったアカウントで実行しておき、その後に別のアカウントでExchange Serverのインストールを行わせることができる。この場合、ローカル・マシンのAdministrators権限のみでインストール・ウィザードが実行可能である。

2.Exchange Serverをインストールするマシンとスキーマ・マスタが別ドメインの場合
 前述したように、ForestPrepはスキーマ・マスタに対して実行される。もし、Exchange Serverをインストールするマシンがスキーマ・マスタが存在するドメインとは異なるドメインの場合は、スキーマ・マスタと同じドメイン内のマシンから個別にForestPrepを実行しなければならない。

■ForestPrepの実行

 ForestPrepは次のようにして実行する。

コンポーネントの選択ページ
ここではインストールするコンポーネントを選択する。
 (1)「アクション」が「ForestPrep」であることを確認する。

Exchange Server管理者アカウントの指定ページ
ここで指定したアカウント(ユーザーまたはグループ)でExchange Serverのインストール・ウィザードを実行する。

DomainPrepとは

 DomainPrep(Domain Preparation:ドメインの準備)は、Active Directoryドメイン内にExchange Serverに必要なグループやコンテナを作成する。DomainPrepは、Exchange Serverをインストールするドメインごとに実行しなければならず、実行にはDomain Adminsグループの権限が必要になる。なお、DomainPrepはForestPrepよりも先に実行することはできない。

■DomainPrepの実行

 DomainPrepは次のようにして実行する。

コンポーネントの選択ページ
 (1)「アクション」が「DomainPrep」であることを確認する。


 今回はExchange Serverのインストール手順について解説した。次回はインストール後の確認とメールボックスの作成、クライアントの設定について解説する予定である。

【更新履歴】

【2005/1/22】「Service Pack 1 以降のセキュリティ修正プログラム」において、2005年1月14日時点で公開した当初の記事では、「MS04-002:Exchange Server 2003の脆弱性により、権限が昇格する(832759)」も必要としていましたが、これはService Pack 1に含まれているので不要です。「Service Pack 1 以降のセキュリティ修正プログラム」は、MS04-035とMS04-036の2つです。お詫びして訂正させていただきます。



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