Windows OSでは、ユーザーに一定の権限を割り当て、権限に応じて、操作可能なことと、操作不可能なことを区別できる。システムの変更を伴う操作では管理者権限が必要だ。しかし、普段一般ユーザー権限でコンピュータを利用している場合、管理者権限を持つユーザーの再ログオンが必要になる。このような作業を繰り返すなら、プログラムのショートカットを利用することで、一般ユーザーでログオンしたまま、特定のプログラムだけを管理者権限で実行できる。
対象OS:Windows 2000/Windows XP/Windows Server 2003
Windows NT系OS(Windows NT、Windows 2000、Windows XP、Windows Server 2003)では、ユーザーに一定の権限を割り当て、この権限に応じて、操作可能なことと、操作不可能なことを区別できるようになっている。そしてたとえ個人が所有するPCでも、日常業務は管理者権限を持たない通常ユーザーで行うようにし、必要なときだけ管理者権限を持つユーザーになることが推奨されている。
しかし何かしらの管理作業が発生するたびに、いったんログオフし、管理者権限で再ログインし、管理作業を行ってからログオフ、もう一度元のユーザーでログオンするというのは面倒だ。このためWindowsには、別ユーザーの権限を一時的に使って、プログラムを実行する方法がある。
1つの方法は、エクスプローラなどで目的の実行プログラム(管理用プログラムなど)を指定し、[Shift]キーを押しながらアイコンを右クリックすると表示されるプロパティメニューの[別のユーザーとして実行]を使用する方法である(詳細はTech TIPS「一時的にほかのユーザー権限でプログラムを実行する方法(ショートカット メニューを利用する方法)」参照)。
しかし同じプログラムを何度も使うような場合、毎回このような指定を行うのは面倒である。このようなときには、プログラムのショートカットのプロパティを使用すると便利である。
周知のとおり、プログラムのショートカットとは、プログラムやファイルなどへのリンクで、このショートカットを利用することで、実体としては1つしかない実行プログラムの起動アイコンを別の場所に設定できる。例えばWindowsでは、[スタート]メニューの[プログラム]項目からプログラムを起動できるが、基本的にこの[プログラム]項目に追加されているアイコンは、各実行プログラムファイルへのショートカットである。
ショートカットを作成するには、元の実行ファイルアイコンをマウスの右ボタンでドラッグし、目的とするフォルダにドロップする。ドロップすると、次のようなショートカットメニューが表示されるので、この中から[ショートカットをここに作成]を実行すると、ショートカットが作成される。
ショートカットが作成されたら、そのショートカットアイコンを再度マウスの右ボタンでクリックし、表示されるショートカットメニューの[プロパティ]を実行する。こうすると、次のようなショートカットのプロパティダイアログが表示される。
Windows 2000では上記のダイアログが表示される。このショートカットを別ユーザーで実行するようにするには、[ショートカット]タブをクリックし、中央右にある[別のユーザーとして実行]チェックボックスをオンにすればよい。
Windows XP/Windows Server 2003では、ダイアログ中に[別のユーザーとして実行]チェックボックスは存在しない。これらのOSでは、上記ダイアログの右下に[詳細設定]ボタンがあるのでこれをクリックする。すると次のダイアログが表示されるので、ここで[別の資格情報で実行する]チェックボックスをオンにする。
これ以後、そのショートカットを実行すると、次のような認証ダイアログが表示されるようになる。まずはWindows 2000の場合。
Windows XP/Windows Server 2003では次のようなダイアログが表示される。
[OK]ボタンをクリックすれば、指定したユーザーの権限でプログラムを実行できる。
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■更新履歴
【2003/11/15】Windows XPを踏まえて情報を一部修正しました。
【2000/04/06】初版公開。
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