物理ディスクのOSイメージをVHDファイルに変換できると、容易に既存のWindows OS環境をHyper-Vなどの仮想化環境に移行できる。マイクロソフトのSysinternalsツールで提供されているDisk2vhdツールを使うと、物理ディスクの内容をVHDファイルに変換できる。
対象OS:Windows XP / Windows Vista / Windows 7 / Windows Server 2003 / Windows Server 2008 / Windows Server 2008 R2
Virtual PCやVirtual Server、Hyper-V Server 2008などの仮想化ソフトウェアを利用する場合、仮想マシンで利用するための「仮想ハードディスク(VHDファイル)」と呼ばれるファイルを作成する。このファイルの中には、仮想マシンで利用するハードディスクのイメージがそのまま保存されている。
物理ディスク上のOSイメージを何らかの形で「仮想ハードディスク(VHDファイル)」に変換できると、Hyper-V Server 2008などの仮想化ソフトウェアに既存のOS環境を移行しやすくなる(ハードウェア構成の違いなどにより、そのまま実行するわけにはいかないが、移行のためのベースとして使うことはできる)。
Virtual PC 2007やSystem Center Virtual Machine Manager(SCVMM)などのソフトウェアを使うことで物理ハードディスクのイメージをVHDファイルに変換できる。しかしVHDファイルを作成するだけのために、これらのソフトウェアをインストールするのは少々面倒だ。
このような場合は、マイクロソフトのWindows Sysinternalsで提供されている「Disk2vhd」というツールを利用するとよい。Disk2vhdツールを使うと、簡単な操作で物理ディスクの各ドライブをVHDファイルに変換できる。
以下のWebページからDisk2vhdツール(disk2vhd.zip)をダウンロードして解凍し、どこか適当な場所(%Windir%など)へDisk2vhd.exeをコピーする(原稿執筆時点のバージョンは、v1.21)。
Disk2vhd.exeを実行すると、以下の画面が表示されるので、VHDファイルに変換したいドライブのみにチェックを入れて、[Create]ボタンをクリックする。VHDファイルは、デフォルトでDisk2vhd.exeを実行したフォルダに、「<マシン名>.vhd」というファイル名で作成される。もちろん、[...]ボタンをクリックして、VHDファイルの保存先フォルダやファイル名も指定できる。この際、ネットワークドライブも指定可能である。
このようにDisk2vhdツールを使うと、簡単な操作で物理ディスクの各ドライブをVHDファイルに変換できる。Windows 7/Server 2008 R2では、VHDファイルをマウントして、データの読み書きが可能になっている。そのため、仮想化環境に移行するためだけでなく、データディスクのバックアップなどにも活用できるだろう。
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