必要なのはJ2SEとXMLパーサJavaで実現するDOM/SAXプログラミング(1)(4/4 ページ)

» 2001年01月13日 00時00分 公開
[太田一郎ティアイエス株式会社]
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まずはJ2SEとXercesのインストール

 それではXMLプログラミングの準備をしましょう。何はともあれ以下のものを入手してください。

 J2SEの最新バージョンは1.3です。Java2であれば問題ありませんので、バージョン1.2.2などをすでにインストールされている場合は、それをそのまま使って構いません。

J2SEのインストール

 Windows用のアーカイブはインストーラの形式になっていますので、そのまま実行してください。インストール作業中に表示されるダイアログボックスについては、基本的にリターンキーを押してそのまま先に進めて大丈夫です。途中、画面1のダイアログが表示されますが、これはインストールするディレクトリを指定するためのものです。デフォルトの値をそのまま使って問題ありませんが、利用されている環境に合わせて変更が必要な場合は適宜指定してください。

画面1 インストールするディレクトリの指定 画面1 インストールするディレクトリの指定

 インストール終了後、環境変数PATHを設定します。下記に、Windowsでの設定方法を解説しておきましょう。

■Windows NT/2000の場合

 コントロールパネルを起動し、「システム」のアイコンを選択します。「環境変数」のダイアログを開き、PATHの設定内容の末尾に以下のようなパス指定を追加します。

;JDKをインストールしたディレクトリ名\BIN

 デフォルトだとC:\JDK1.3にインストールしているはずですから、その場合は以下のようなパス指定を追加することになります。

;C:\JDK1.3\bin

■Windows 95/98/98SE/98MEの場合

 AUTOEXEC.BATの最後に以下の行を追加します。

SET PATH=%PATH%;JDKをインストールしたディレクトリ名\BIN

 デフォルトだとC:\JDK1.3にインストールしているはずですから、その場合は以下のようになります。

SET PATH=%PATH%;C:\JDK1.3\bin

 インストールについてのより詳細な情報が必要な場合は、Java2 SDK, Standard Edition インストールガイド(htp://java.sun.com/j3se/1.3/ja/install-windows.html)を参照するとよいでしょう。

Xercesのインストール

 この原稿を書いている2001年1月現在では、Xercesのバージョン1.2.3が最新です。これより新しいものでも恐らく問題はないでしょう。ここでは、以下のアーカイブを用います。

  • Xerces-J-bin.1.2.3.tar.gz

 アーカイブをダウンロードしたら、適当なディレクトリに解凍してください。アーカイブには以下のものが含まれています。

  • ドキュメント(docs以下のファイル)
  • サンプルのプログラムソース(samples以下のファイル)
  • サンプルのデータ(data以下のファイル)
  • ライブラリのjarファイル(xerces.jar)
  • サンプルのjarファイル(xercesSamples.jar)

 Xercesを使えるようにするには、xerces.jarをCLASSPATHに追加するとよいでしょう。コマンドラインから以下のように入力し、CLASSPATHを設定してください。

SET CLASSPATH=%CLASSPATH%;インストールディレクトリ\xerces.jar

 例えばC:\Xerces以下にXercesのアーカイブ内容を展開している場合は、以下のようにCLASSPATHを指定します。

SET CLASSPATH=%CLASSPATH%;C:\Xerces\xerces.jar

 コマンドラインで毎回指定するのがおっくうだという向きは、システムの環境変数設定に追加しておくとよいでしょう(具体的なやり方については、J2SEのインストール手順説明で環境変数PATHを設定している個所の記述を参考にしてください)。

 CLASSPATHの設定ができたらサンプルを動かしてみましょう。コマンドプロンプトをオープンし、Xercesをインストールしたディレクトリに移動してください。

 以下のように入力してサンプルを起動します。

java -classpath xercesSample.jar data/personal.xml

 画面2はWindowsで動作させた場合の出力結果です。同様の出力結果を確認できたらインストールは完了です。

画面2 サンプルの実行結果 画面2 サンプルの実行結果

 余力のある方は、docs以下のAPIドキュメントに目を通しておくとよいでしょう。

コラム Apache Software Foundationが作ったXerces

 高い品質と性能でなおかつフリー。ApacheといえばHTTPサーバの代名詞といってもいいでしょう。Apache Software Foundation(以下ASF)は、このApacheの開発を組織的、法的かつ経済的に支援するために設立された非営利団体です。

 当初はApacheの開発のみを行っていましたが、現在ではさまざまなオープンソースのソフトウェア開発プロジェクトを積極的に展開しています。ASFが現在進めているプロジェクトの1つ、Apache XML Project (http://xml.apache.org/)は、XMLベースのソフトウェアの開発を行っています。本連載で取り上げるXerces(これはIBMが提供したコードがもとになっています)、XSLTエンジンのXalan、XSL:FOのレンダリングエンジンであるFOPなど、多数のソフトウェア開発を進めています。


次回はDOMプログラミングに挑戦

 今回は連載の第1回ということで、Javaを用いたXMLプログラミングモデルについてその概要を簡単にまとめたうえで、Xercesをインストールしてみました。次回からは、このインストールしたXercesを用い、以下のような題材に挑戦してみる予定です。

  1. DOMを用いたXMLデータの読み込み
  2. DOMを用いたXMLデータの更新
  3. SAXを用いたXMLデータの読み込み
  4. SAXを用いたXMLデータの更新

 それでは皆さん、次回までごきげんよう!


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