ポイント#2 タグがデータに意味を持たせる
XMLは「マークアップ言語」である。「マークアップする」とは、データの前後に特定の文字列を使って印を付けることだ。マークアップ言語にはXMLのほかにHTMLやTeXなどがあり、これらはすべてデータをマークアップして、さまざまな属性を表現する機能を備えている。
マークアップの例として、HTML文書を見てみよう。HTMLでは、文書中の一部を太字で囲むなら、その部分の最初に<B>、最後に</B>を付ける。以下の例なら、「赤い」という文字列が太字で表示される。
HTML文書での記述 彼女は<B>赤い</B>傘を持っていた
Webブラウザでの表示 彼女は赤い傘を持っていた
XMLのマークアップも、HTMLでの例とほとんど一緒だ。XMLでも各データの意味や属性を示すタグを、そのデータの前後に付与する。
XML文書での記述 <BookTitle>XML基礎講座</BookTitle>
HTMLと違うのは、HTMLには</BookTitle>というタグは存在しない、という点だろう。XMLならば、自分で<BookTitle>というタグを定義して利用することができる。上記の例では「XML基礎講座」という文字列が本のタイトル(BookTitle)であることが容易に分かるだろう。この場合のタグで囲まれるデータを「内容」という。
HTMLと同様にXMLでも、タグは「小なり記号(<)」で始まり、「大なり記号(>)」で終わる。この2つの記号に挟まれた文字列が「タグ名」となる。内容の前(左側)に使われるタグを「開始タグ」、内容の後(右側)に使われるタグを「終了タグ」と言う。終了タグにはタグ名の前にスラッシュを入れる。
開始タグから終了タグまでが、1つの「要素」または「エレメント」だ。もしエレメントが内容を持たないときは、タグ名の後にスラッシュを入れた「空要素タグ」として表すことができる。
<BookTitle></BookTitle> = <BookTitle/>
左と右の要素は同じ意味。内容のない要素は、空要素タグで表せる
要素の中に、さらに要素を入れることができる。こうすることで、より複雑な意味づけを可能にしている。
<Book> <BookTitle>XML基礎講座</BookTitle> <Author>Emie Kayama</Author> </Book>
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.