Windows 2000で動かすXFree86 [設定・運用編]ゼロ円でできるXサーバ(4)(2/4 ページ)

» 2001年08月25日 00時00分 公開
[北浦訓行@IT]

XDMCPによるグラフィカルログイン

XDMCPのためのLinuxの設定

 XDMCP(X Display Manager Control Protocol)によって、ログインをはじめとするLinuxサーバ上のすべての操作をCygwin/XFree86から行えば、Linux上のかな漢字変換システムを使って漢字を入力することができます。

 ただし、キー入力と画面表示以外は全部Linuxサーバが行うことになり、Cygwin/XFree86とLinuxサーバ間のトラフィックも増えるので、動作速度はかなり遅くなります

 また、この方法を使うには条件が2つあります。1つは、Linuxサーバがグラフィカルログインの設定(ランレベル5)になっていることです。もう1つは、Linuxサーバのディスプレイマネージャ(xdm、gdm、wdmなど。ディストリビューションによって異なる)が、外部からのアクセスを許可していることです。

 ランレベルを5にして起動するのは簡単です。一時的にそうしたいのであれば、LILOのプロンプトで

LILO: linux 5

とするか、ログイン後に

# telinit 5

を実行すればいいのです。常にグラフィカルログイン画面にしたいなら、/etc/inittabを以下のように編集します。

id:5:initdefault: ←3を5に変更

 Linuxサーバのディスプレイマネージャが外部からのアクセスを許可するには、コンフィグレーションファイルを変更します。問題は、ディストリビューションによって使用しているディスプレイマネージャ(gdm、xdmなど)が異なることです。

 gdmの場合は、/usr/X11/gdm/gdm.confを編集します。

[xdmcp]
Enable=1 ←0を1に変更
Port=177 ←177でないときは177に変更

 もし、これでもグラフィカルログイン画面が表示されないときは、以下の変更も加えてください。gdmを使用しているディストリビューションには、Red HatやTurbolinuxがあります。

id:5:initdefault: ←3を5に変更

 xdmの場合は、/usr/X11/xdm/xdm-configを編集します。

DisplayManager.requestPort: 177 ←0を177に変更

 Vine Linuxはwdmを使用していますが、デフォルトでXDMCPを許可しているので、変更は必要ありません。

XDMCPによるリモートセッションの開始

 Linuxサーバ側の設定が終わったら、後はWindows 2000から接続するだけです。

 XDMCPによるリモートセッションを行うには、XWin.exeで以下のようなオプションを付加します。-queryにはLinuxサーバのIPアドレスを、-fromはCygwin/XFree86のIPアドレスを指定します。

$ XWin.exe -screen 0 800x600x256 -query 192.168.0.12 -from 192.168.0.11

 各設定を正しく行っていれば、Linuxのグラフィカルログイン画面が表示されます。

画面11 Cygwin/XFree86に現れたVine Linux 2.1.5のグラフィカルログイン画面 画面11 Cygwin/XFree86に現れたVine Linux 2.1.5のグラフィカルログイン画面(画像をクリックすると拡大表示します)

 ここでLinuxサーバのユーザーアカウントとパスワードを入力すれば、Cygwin/XFree86上にLinuxサーバのX画面が表示されます。

フォントサーバでLinuxのフォントを使う

 さて、上でサラリとVine Linux 2.1.5のグラフィカルログイン画面が現れて、Cygwin/XFree86上にLinuxサーバのX画面が表示されると書きましたが、実はデフォルトの設定では漢字が化けてしまって使い物になりません

画面12 Vine LinuxのGNOMEが表示されたが、漢字が化けていて使えない 画面12 Vine LinuxのGNOMEが表示されたが、漢字が化けていて使えない(画像をクリックすると拡大表示します)

 これを防ぐには、フォントサーバの機能を使います。つまり、Cygwin/XFree86の表示をLinuxのフォントを使って行うのです。

 まず、Linux側の設定を変更しましょう。Vine Linuxにrootでログインして、/etc/rc.d/init.d/xfsを開きます。以下の行を捜して、「-1」を「7100」に変更します。同じ内容の行が2個所あるので、両方を修正してください。

daemon xfs -droppriv -daemon -port 7100 ←-1を7100に変更

 次に、/etc/X11/XF86Configを開いて、

FontPath "unix/:-1"

という行を以下のように変更します。

FontPath "tcp/localhost:7100"

 修正が終わったら、Linuxを再起動します。以上で、設定は終了です。

 Linuxのフォントを使用するには、Cygwin/XFree86起動時に-fpオプションでFontPathを指定します。書式は「-fp フォントパス」となります。例えば、192.168.0.5のLinuxに接続する場合は、

-fp tcp/192.168.0.5:7100

とします。例のごとく、シェルスクリプトにしておくと便利です。

XWin -screen 0 800x600x256 -query 192.168.0.5 -from 192.168.0.15 -fp tcp/192.168.0.5:7100 &

画面13 フォントサーバの機能を使用すると、Vine Linuxとまったく同じ表示になる 画面13 フォントサーバの機能を使用すると、Vine Linuxとまったく同じ表示になる(画像をクリックすると拡大表示します)
画面14 XDMCPでLinuxサーバにログインするとGNOMEが起動する。Linuxのかな漢字変換機能を使って日本語を入力することもできる(画像をクリックすると拡大表示します) 画面14 XDMCPでLinuxサーバにログインするとGNOMEが起動する。Linuxのかな漢字変換機能を使って日本語を入力することもできる(画像をクリックすると拡大表示します)

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