●セットアップの実行結果を判定する「Exitコード」の定義
最後に[Exit Codes]ページの内容を設定する。これはセットアップの実行結果であるExitコードに基づいてメッセージの表示などを行うためのものだ。しかし本稿のように.MSIセットアップを使用している場合は何も変更する必要はない。
以上、すべて完了したらプロジェクトを再び保存し、(MDI子ウィンドウの)ツールバー上の[Build]ボタンをクリックしよう。これにより、プロジェクトがビルドされるはずだ。
以上、本稿では、GACへアセンブリをインストールする必須コンポーネントの作成例を示したが、これは必須コンポーネントの作成方法の1例に過ぎない。例えば、インストール要件のチェックにしても、レジストリ・チェック、ファイル・チェックなど、ほかにもたくさんある。また、ユーザー環境のOSバージョンごとに処理を条件分岐するなどの必要があるかもしれないが、そういった設定はこのツールで簡単に実現できる。これらの実装方法については、Bootstrapper Manifest Generatorのツールバーから起動できるヘルプを参照するとよい。
最後にここまでに作成した必須コンポーネントをClickOnceで実際に活用している画面を示して本稿を終わりとしよう。
次の画面は、上記の画面の手順で組み込んだClickOnceアプリをインストールしたときに表示される必須コンポーネントのインストール画面だ。
ちなみに必須コンポーネントは、ClickOnceのブートストラッパとしてだけでなく、.MSIセットアップのブートストラッパとしても利用することができる。その方法は本稿では割愛する。詳しくは「.NET TIPS:.MSIセットアップで必須コンポーネントを利用するには?」を参照してほしい。
今回は、インストール要件となる必須コンポーネントを独自に実装する方法を説明した。前回から今回にかけてClickOnceの拡張開発について紹介してきたわけだが、これはClickOnce開発で必要となる項目のほんの一部である。これ以外にも、ClickOnceを活用するうえで、例えばClickOnceに関する各種情報(データ・ディレクトリのパスや、起動元のURLなど)を取得したい、もしくはコマンドライン・パラメータを取得したいなどのニーズも少なくないだろう。これらの情報は.NET TIPSという形で今後提供していきたいと考えている。
最終回となる次回では、実際のClickOnceアプリの運用ポイントを示し、ClickOnceアプリの特長ともいえるセキュリティ関連の機能について解説する。そして最後にWindows Vista以降のClickOnceのロードマップについて簡単に触れる予定だ。お楽しみに。
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