使い勝手がよくなったパッチ管理ツール「Windows Server Update Services(WSUS)3.0」の新機能とインストール方法を解説する。
システム管理者にとって、セキュリティ・ホールを解消するための更新プログラム(セキュリティ・パッチ)をクライアントPCやサーバに適用することは、セキュリティのリスクからシステムを守るために必須の業務といえる。しかし、企業などの組織内にある多数のPCに対して、一律に漏れなくセキュリティ・パッチを適用することは、手間のかかる困難な仕事であることも確かだ。
こうしたパッチ適用の作業を助けるべく、Windows Update/Microsoft Updateなどさまざまなパッチ管理ツールが存在している。特に企業のシステム管理者にとって注目なのは、マイクロソフトから提供されている組織向けパッチ管理ツール「Windows Server Update Services(WSUS)」だろう。WSUSは、Microsoft Updateのローカル・コピー相当のサーバをLANに置いて、システム管理者が選択したパッチをPCに適用したり、適用状況をチェックしたりする無償のシステムだ。
そのWSUSの最新版として、2007年5月にマイクロソフトはWSUS 3.0をリリースした。これは、Software Update Services(SUS)を初代とすると、2代目のWSUSおよびWSUS SP1(以下「WSUS 2.0」)に続く3代目のバージョンである。従来のWSUS 2.0に比べ、WSUS 3.0では特に使い勝手がよくなり、不足していた機能も拡充されている。
本稿では、従来のWSUS 2.0からの機能強化、追加機能などを中心に、WSUS 3.0の特長とそのインストール方法、基本的な使用法やWSUS 2.0からのアップグレードの手順などについて解説する。ただし、WSUSの基本構成は2.0から3.0へのバージョンアップでも大きく変わっていないので、これについては以前に公開したWSUS 2.0の記事を参照していただきたい。
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