5分で絶対に分かるサーバ仮想化5分で絶対に分かる(5/6 ページ)

» 2007年09月18日 00時00分 公開
[@IT 三木泉@IT]

4分 - 古いOS上のアプリケーションも使い続けられる

 PCサーバの仮想化とメインフレームやUNIXシステムの仮想化のもう1つの大きな違いは、多様なOSへの対応にあります。メインフレームやUNIXシステムにおける仮想化では、単一のOSの動作を分割し、あたかも複数台が動いているかのように見せるのが普通です。これに対し、PCサーバの仮想化は、複数の種類のOSを混在で、同時に動かすことができます。1台の物理サーバ上で「Windows Server 2003 R2」と「Red Hat Enterprise Linux」を動かしてもいいですし、Windows Server 2003 R2と「Windows NT 3.5」を動かしても問題ありません。

 サーバ仮想化が多様なOSに対応することで、第3のメリットが生まれます。企業におけるIT利用の課題の1つとして、長く使い続けているアプリケーションをさらに使い続けるために、新しいサーバに乗り換えようとしても、サーバの新機種が古いサーバOSをサポートしていないことがあります。こうした場合でも、サーバ仮想化を使えば新機種で古いOSとアプリケーションを動かせます。古いアプリケーションを延命できるだけでなく、サーバの新機種のパワーを活用して、パフォーマンスを向上させられる可能性も出てきます。

 仮想サーバ(仮想マシン)は、物理サーバの上ではOSとアプリケーションが一体となった1つのファイルとして見えます。そのため、ある物理サーバから別の物理サーバへと、仮想マシンを簡単に移動できます。また、物理サーバ上のOSとアプリケーションを、仮想マシンに変換するソフトウェア・ツールがあるので、物理サーバから仮想マシンへの移行も比較的容易です。

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 さらに踏み込んでいえば、OSとアプリケーションがパッケージされた仮想マシンは、同一の仮想化ソフトウェアが動作しているサーバ機なら、どの物理サーバでも動作することができます。このため、仮想マシンファイルを新たなソフトウェア流通形態として推進しようという動きもあります。例えばファイアウォールのようなセキュリティ製品では、OSレベルの脆弱性を最小化するために、構成ファイルを最小限に減らすなどの対策を取ります。ベンダ側がこのように必要なカスタマイズをOSに加えた上で、ファイアウォール・ソフトウェアをインストールした仮想マシンファイルを、これまでのアプリケーションの代わりにユーザー企業に届けることができれば、ユーザー企業側の導入作業負荷は大幅に軽減されます。

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