インターネット技術を基本としたSIPは、HTTPをベースとしています。つまり、メッセージはテキスト形式で、リクエスト/レスポンスの形式を取っています。ただし、HTTPとは異なり、トランスポートはUDP・TCPの両方に対応し、UDPがデフォルトです。このため、SIPではUDPによるパケットの欠落に備え、メッセージ再送の仕組みが盛り込まれています。
実際のSIPのメッセージは、HTTPと同様にスタートラインとヘッダ情報、空白行を挟んだボディ部に分けられています。SIPで規定されているのは、このメッセージの基本構造と、スタートラインとヘッダ情報についてで、ボディ部に関してはSIP自体では定められていません。通常、VoIPではSDP(Session Description Protocol)と呼ばれる記述構文を使い、音声などのメディアストリーミングのIPアドレスや圧縮形式といったセッション情報を、このボディ部に付けています。
HTTPでの接続先はhttp://www.example.com/のように示されていますが、SIPでは相手先を“sip:alice@example.com”のようなSIP URIと呼ばれる形式で指定します。
SIPのリクエストは、GETやPOSTといったHTTPのメソッドは使用せず、新たに14種類のメソッドを定義しています。レスポンスは3ケタの番号によって表し、“200 OK”、“404 NOT FOUND”などHTTPでおなじみの番号形態になっています。
では、IP電話を例に、電話をかける一連の流れを見てみましょう。
5分で絶対に分かるSIP
<3分>SIPのメカニズム
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