SoftBankのケータイを使用している方には、本連載で「S!アプリ」を作ってもらいます。「S!アプリ」に対応している機種は、図3のページから確認できます。
以降、「S!アプリ」向けの解説はMIDPというマークを付けるので、そちらを目印に読み進めてください。
現在のSoftBankが「J-PHONE」→「Vodafone」→「SoftBank」と移り変わった影響で、「S!アプリ」も「Javaアプリ」→「Vアプリ」→「S!アプリ」と呼び名が変わっていますが、本質的には同じものです。本連載では、「S!アプリ」を対象としていますが、「Javaアプリ」「Vアプリ」対応機種を使用している方は、「S!アプリ」を適宜それぞれに読み替えてください。
W-ZEROシリーズ、またはWXシリーズを使用している方には、本連載で「WILLCOM Javaアプリ」を作ってもらいます。Javaに対応している機種はWILLCOMの「PHONE機能比較」ページから確認できます。
以降、「WILLCOM Javaアプリ」向けの解説はMIDPというマークを付けるので、そちらを目印に読み進めてください。
2008年中にイー・モバイルが音声サービスを開始し、Java対応端末も発売される予定です。以降、イー・モバイルのJavaアプリ向けの解説はMIDPというマークを付けるので、そちらを目印に読み進めてください。
PC上で動作するエミュレータがありますので、そちらで動作させてみてください。
なお、すべてのキャリアの対応機種情報については、「MIDP 2.0メモ」というページが非常によくまとまっています。
2007年6月、Appleがいままでにない画期的なデザインのケータイ「iPhone」をアメリカで発売しました。ケータイの操作には不可欠な方向キーはもとより、ダイヤルするために必要なテンキーすら排除し、筐体の前面を大きく覆うディスプレイと操作性が最大の特徴です。
Appleとしては、サードパーティがiPhone向けのアプリケーションを提供するにはWebブラウザ上で動作するものに限定する考えを持っていましたが、2008年2月にネイティブアプリケーションの開発環境を提供することになりました。開発言語はJavaにも影響を与えたObjective-C(後述)になりそうです。
また、2007年11月、Googleはケータイ向けの新しいプラットフォーム「Android」を発表しました。
Androidのすごいところは、ケータイのOSとアプリケーション・プラットフォームが無償で利用できるようになったことです(これまでケータイメーカーは、ケータイ向けのOSを他社から購入したり自社で作成したりしなければならなかったのです)。
そして、Java開発者にとってはAndroid向けのアプリケーションがJavaで作成できるのも大きなポイントです。開発環境はGoogleから提供されていて、誰でもAndroidアプリを作成できます。詳しくは「Google Android用携帯アプリ作成のための基礎知識」をご覧ください。
Androidで作成されたケータイは2008年後半に発売されると見られ、iPhoneは2008年に国内に上陸しそうで、楽しみな年になりそうです。
編集部注:iPhoneについて詳しく知りたい読者は「なぜiPhoneは日本で使えないの?」をご参照ください。
「iアプリ」も「オープンアプリ」も「S!アプリ」も「WILLCOM Javaアプリ」もすべてJava言語で作成されています。
Javaとは、サン・マイクロシステムズが開発したプログラミング言語・アプリケーション実行環境で、上記のケータイ以外にもWindows、Mac OS、LinuxなどのPCはもちろん、カーナビげーション、DVDプレーヤ、デジタルTVなどの情報家電端末でも動作する製品があります。
Javaは、その祖先をC++やSmalltalkといったコンピュータ言語に持ち、以下のような影響を受けています。
言語 | 影響 |
---|---|
Smalltalk | オブジェクト指向、VM(仮想マシン)機構、GC(ガベージ・コレクション)を受け継いでいる |
C++ | Javaの文法と型付けを色濃く受け継いでいる |
Objective-C | import、interfaceなどC++にない機能を受け継いでいる |
新しく作られるコンピュータ言語は、ほとんどすべてがそれまでの言語の影響を受け、複数の言語の良いところを取り込み、使いやすく設計されています。
Javaは「C/C++の文法で、よりオブジェクト指向で、メモリ管理が必要なく、どのプラットフォームでも動作する」という特徴を持ち、現在では最も人気のあるプログラミング言語の1つです。 次ページでは、Javaの開発環境・実行環境の構築の仕方について解説します。サンプル・アプリケーションをぜひ1度Javaアプレットで動かしてみてください。
TIOBE Programming Community IndexのランキングはTIOBE Softwareが提供するプログラミング言語の人気度を推測するランキング情報です。言語の速度や性能などの優劣ではなく、利用者数、ベンダ数、教育コース数、検索エンジンの結果などから算定しています。2001年から毎月更新しており、折れ線グラフで推移を見ることができます。10年後はどのように推移しているのか非常に興味深いです。
本稿執筆時点の2008年1月現在ではJavaがトップを維持しているようです。
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