何にせよ使ってみなければ何も始まらないので、まずLinuxを使える環境を用意しましょう。ここではディストリビューションとして、Fedora8(現時点での最新バージョン)を利用します。
Linuxという言葉は本来OSのコアであるカーネルを指す言葉です。しかし一般的にLinuxといわれているものはそれ以外のさまざまなソフトウェアが付随した状態を指すことが多いように思います。前者を狭義の意味でのLinux、後者を広義の意味でのLinuxと表現すると、狭義の意味でのLinuxから広義の意味でのLinuxを作り出すためにはさまざまな知識、時間、労力を必要とします。これでは使うまでの準備があまりに多すぎて、使える人が限定されてしまいます。このためLinuxカーネルとOSを構成するそのほかのソフトウェアを最初から組み合わせて配布する形が出来上がりました。これがディストリビューションです。世の中にはさまざまなディストリビューションがありますが、結局は組み合わせやプラスアルファの要素を追加したものにすぎませんので、Linuxであることには変わりはありません。 実際にどのようなディストリビューションが存在するかは以下のサイトで確認することができます。
参考:distribution cladogram
(ここを見ると非常に多くのディストリビューションが存在していることが分かります。)
ディストリビューションについては何を選ぶか迷うところではありますが、今回選択したFedora8を使う理由は以下の4点です。
ここではWebサイトにアップされているISOイメージをDVDメディアに展開してインストールを行います。Fedoraにはいろいろなソフトウェアが付属しており、結構大きいファイルサイズになっていますので、ダウンロードの際はディスクの空き容量に注意してください。
現在のディストリビューションのインストーラは洗練されていますので、基本的に難しいところはありません。Windowsがインストールできる人であれば、問題なくインストールできるでしょう。インストール時の設定は勉強する環境を構築するという意味では特別な設定は必要なく、基本的に自身の環境に合わせてフローを進めれば問題ないかと思います。必要なソフトウェアを後で簡単に追加することもできます。
インストールが完了しマシンを再起動すると、いよいよLinuxが起動します。Fedoraの最初の起動時には、システムの環境設定画面が立ち上がるようになっています。ここで必要な設定をしていくわけですが、セキュリティ設定の際に注意することがあります。
ファイアウォールとSELinuxの設定はあえて、無効にします。ファイアウォールやSELinuxの設定が有効になっていると、ネットワークサーバを構築した際にセキュリティの設定上、動作しない可能性があります。セキュリティについて理解できるようになっていれば問題ないのですが、よく分からない場合は問題の特定が難しくなってしまい、設定はうまくいっているのに動作しないという問題が出る可能性があります。どちらの設定もある程度知識が必要になりますので、勉強する環境では無効にしておくことをお勧めします。
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