かんたんAjax開発をするためのRuby on Railsの基礎知識Ruby on RailsのRJSでかんたんAjax開発(前編)(3/4 ページ)

» 2008年08月25日 00時00分 公開
[志田裕樹株式会社アークウェブ]

scaffoldで作った画面を確認

 マイグレーションを実行し、Fixtureでサンプルデータを登録したら、scaffoldが作成してくれた画面を確認してみましょう。URLは次のようになります。

http://【Railsをインストールしたマシンのアドレス】:3000/categories/
図1 カテゴリ一覧画面 図1 カテゴリ一覧画面

図2 カテゴリ詳細画面 図2 カテゴリ詳細画面

図3 カテゴリ修正画面 図3 カテゴリ修正画面

 どうでしょうか。Rubyコードを1つも書かずにここまでくることができました。慣れれば、この状態まで5分もかかりません。

scaffoldからRailsの組み方を学ぶ

 いよいよここからは、scaffoldで作成されたひな型のソースコードを見ながらRailsの組み方を学んでいきます。

Railsの画面表示までの流れ

 まず、Railsの画面表示までの流れを確認しましょう。RailsもほかのMVCフレームワークを利用したWebアプリケーション開発フレームワークと同様に、次のような流れで処理が実行されます。

図4 サンプルアプリケーションの処理の流れ 図4 サンプルアプリケーションの処理の流れ
  1. ユーザーがアクセスしたURLに応じて、コントローラーのアクションメソッドが実行される
  2. コントローラーは必要に応じてモデルを呼び出し、DBから値を取得したり、DBを更新したり、そのほかのビジネスロジックを実行したりする
  3. コントローラーは、必要に応じてモデルの実行結果をビューに渡しつつ、ビューに描画を命令する
  4. ユーザーは、ビューが描画した結果を受け取る

コントローラー:CategoriesControllerクラスのコードを確認

 CategoriesControllerクラス(scaffoldが生成した

「app/controllers/categories_controller.rb」)のコードを確認してみましょう。

class CategoriesController < ApplicationController
    # GET /categories
    # GET /categories.xml
    def index
…【略】…
    end
    # GET /categories/1
    # GET /categories/1.xml
    def show
…【略】…
    end
    # GET /categories/new
    # GET /categories/new.xml
    def new
…【略】…
    end
    # GET /categories/1/edit
    def edit
…【略】…
    end
    # POST /categories
    # POST /categories.xml
    def create
…【略】…
    end
    # PUT /categories/1
    # PUT /categories/1.xml
    def update
…【略】…
    end
    # DELETE /categories/1
    # DELETE /categories/1.xml
    def destroy
…【略】…
    end
end
app/controllers/categories_controller.rb

 Ruby言語の文法については、以下を参照してください。

 コントローラークラスは、ApplicationControllerクラスを継承しています。ApplicationControllerクラス(「rails」コマンドで生成された

「app/controllers/application.rb」)の内容は次のようになっています。

class ApplicationController < ActionController::Base
…【略】…
end
app/controllers/application.rb

 ApplicationController::Baseを継承していますので、結果的にCategoriesControllerクラスはApplicationController::Baseと継承関係になります。

 ApplicationController::Baseクラスが提供する機能により、各画面がWebブラウザによってリクエストされると、それに対応したアクションメソッドが呼び出される仕組みになっています。ActionController::Baseの詳細に興味があるなら、「Class: ActionController::Base」を参照してください。

各画面のURLとアクションメソッドの対応

 下記に、Webブラウザからのリクエストに対応するアクションメソッドについてまとめました。

80%画面名 メソッド名 URL HTTPメソッド
カテゴリ一覧画面 index /categories、または
/categories.xml
GET
カテゴリ詳細画面 show /categories/1、または
categories/1.xml
GET
カテゴリ新規作成入力画面 new /categories/new、または
/categories/new.xml
GET
カテゴリ編集入力画面 edit /categories/edit、または
/categories/edit.xm
GET
カテゴリ新規作成処理画面 create /categories、または
/categories.xml
POST
カテゴリ編集処理画面 update /categories/1、または
/categories/1.xml
PUT
カテゴリ削除処理画面 destory /categories/1、または
/categories/1.xml
DELETE
表3 アクションメソッド

※注意:URLが「/categories」「/categories.xml」のように、2とおりある理由は「コントローラーからビューの呼び出し」で解説します。

 scaffoldによって生成されたアプリケーションは、以下のようなRESTの原則にのっとっています。

  • URLで「リソース」を表現
  • 「リソース」に対する「処理内容」をHTTPリクエストメソッドで表現(例:POST/categories/update/1ではなく、PUT/categories/1)

 ただし、現状Webブラウザから、PUTメソッドやDELETEメソッドを送信することはできませんので、実際には下記のように、「_method」といった追加パラメータを送ることで、クライアントがPUTメソッドでリクエストを送信したと見なす設計になっています。

<form method="POST">
…【略】…
<input type="hidden" name="_method" value="put" />
…【略】…
</form>

 REST対応はとても大きなテーマですので、今回はこの部分があまり理解できなくでも結構です。カテゴリ詳細画面は、show()アクションメソッドが処理を担当する、ということを理解してください。RailsのREST対応の詳細に興味があるなら、「Module:ActionController::Resources」を参照してください。

カテゴリ詳細画面:show()アクションメソッドを確認

 ここからはブラウザがカテゴリ詳細画面をリクエストすると、呼び出される、show()アクションメソッドを詳しく見ていきます。

class CategoriesController < ApplicationController
…【略】…
    # GET /categories/1
    # GET /categories/1.xml
    def show
        @category = Category.find(params[:id])
        respond_to do |format|
            format.html # show.html.erb
            format.xml  { render :xml => @category }
        end
    end
…【略】…
end
app/controllers/categories_controller.rb

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