プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2025年3月版が公開された。非常に古いプログラミング言語がTIOBEインデックスのトップ20にランクインした。
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ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2025年3月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2025年3月のランキングでは、非常に古いプログラミング言語がTIOBEインデックスのトップ20にランクインした。「Fortran」と「Delphi」はトップ10入りを競い合い、「COBOL」と今月新たにランクインした「Ada」はやや下位に位置した。いずれの言語も上昇傾向だ。TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、古くからあるプログラミング言語が上昇している理由について、次のように述べている。
「古参のプログラミング言語が上昇傾向にある理由は、世界を支える数多くの重要なレガシーシステムにあると考えられる。レガシーシステムの多くは、こうした古参言語を用いて開発されてきた。レガシーシステムを支えてきた中核の開発者たちが次々と引退を迎える中、企業はリスクを避けるため、既存のシステムを維持し、さらには拡張する道を選んでいる。よりモダンな言語を用いた新しいシステムに置き換えるよりも、安定性を重視している」
「これらの言語は『恐竜』とも呼ばれるが、実際には時代とともに進化を遂げ、最新の状態にアップデートされている点に注目すべきだ。Fortran 2023、Delphi 12(2024年リリース)、Ada 2023、COBOL 2023など、新たな言語仕様が策定されている。これらの言語がTIOBEインデックスのトップ20にランクインしていることに驚くかもしれないが、確かな役割を果たしており、評価に値する」(ジャンセン氏)
TIOBE Softwareは21~50位のランキングも公開している。
以下のリストは、51位から100位のプログラミング言語を示している。これらの言語のランキング差は比較的小さいため、アルファベット順に列挙するのみとする。
「ActionScript」「Algol」「Alice」「Apex」「APL」「CFML」「CHILL」「Clipper」「CLIPS」「Clojure」「Curl」「Eiffel」「Elm」「Erlang」「F#」「Forth」「Groovy」「Hack」「Icon」「Inform」「Io」「J」「Jscript」「LabVIEW」「Ladder Logic」「Logo」「Maple」「Modula-2」「Mojo」「MQL5」「NATURAL」「Nim」「OCaml」「Occam」「OpenCL」「OpenEdge ABL」「PL/I」「Q」「Raku」「Ring」「S」「Scheme」「Simulink」「Smalltalk」「SPARK」「Tcl」「Vala/Genie」「VHDL」「Wolfram」「Xojo」
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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