インターフェイスのハードウェア保守などを目的としてインターフェイスを無効にする必要がある場合、対象となるインターフェイスの特定コンフィグレーションモードに移行し、「shutdown」コマンドを使用します。逆に起動させる場合は、「no shutdown」コマンドを使用します。
現在のインターフェイスの状態を確認する場合は、グローバルコンフィグレーションモードにて「show interfaces タイプ スロット/ポートタイプ スロット/ポート」コマンドを使用します。インターフェイスは物理層で、その上で動作するプロトコルはデータリンク層です。この2つの層の関係によって意味が次のように構成されています。
物理層 | データリンク層 | 説明 |
---|---|---|
up | up | 物理層とデータリンク層の両方で通信が正常な状態 |
administratively down |
down | 管理を目的として物理層を停止しているため、データリンク層も停止し、通信できない状態 |
down | down | ケーブル、コネクタ、ハードウェア障害などの物理層の問題のために物理層が停止しているため、通信できない状態 |
up | down | クロック設定やカプセル化タイプなどデータリンク層の問題のためにデータリンク層が停止しているため、通信できない状態 |
シリアルインターフェイスで、「Serial is up, line protocol is down」が表示されている場合、原因となる可能性のある状況を3つ選択しなさい。
a.クロックレートが設定されていない
b.インターフェイスが手動で無効化されている
c.インターフェイスにキープアライブが届いていない
d.相手側とカプセル化タイプが異なる
e.シリアルインターフェイスのケーブルが接続されていない
a、c、d
グローバルコンフィグレーションモードにて「show interfaces タイプ スロット/ポート」コマンドを使用することで、対象となるインターフェイスの状態を確認することができます。問題にある「Serial is up, line protocol is down」は、物理層はupしているが、データリンク層がdownしている状態です。この場合の原因としては、正解となる選択肢に加え、DTE側でクロックを受信していない可能性もあり、設定を再確認する必要があります。不正解となる選択肢bの場合は、「Serial is administratively down, line protocol is down」が表示されます。選択肢eの場合は、「Serial is down, line protocol is down」が表示されます。
Ciscoルータに設定したパスワードを忘れてしまい、ログインできないというトラブルであれば、パスワードリカバリを使用します。ルータを起動してから60秒以内にBreak信号(Ctrl+Break)を送信し、ROMモニタモードにします。パスワードをリセットするには、コンフィグレーションレジスタの値を「0x2142」にセットします。コンフィグレーションレジスタの値は、「config-register 値値」コマンドを使用し、変更後、resetコマンドにて再起動することができます。
rommon 1> config-register 0x2142 rommon 2> reset |
ルータを再起動後、特権モードにて「copy startup-config running-config」コマンドにて、未設定状態のrunning-configファイルを読み込ませてパスワードリカバリは完了です。
Ciscoルータの設定を完全に破棄して、初期状態に戻すには、特権ユーザーにて「erase startup-config」コマンドを使用します。これにより、NVRAM上のstartup-configファイルが削除されます。その後、reloadコマンドで再起動することで、初期状態に戻っていることが確認できます。
パスワードリカバリを行うためのコンフィグレーションレジスタの値を選択しなさい。
a.0x2100
b.0x2101
c.0x2142
d.0x2102
c
パスワードリカバリを行うには、コンフィグレーションレジスタを「0x2142」に設定して再起動します。このモードでは、設定を無視して起動することができるため、パスワードのリセットに使用することができます。選択肢aの2100はROMモニタモードで起動する値、選択肢bの2101はRxbootモード(Mini IOS使用)で起動する値、選択肢dの2102は、Cisco IOSを読み込む通常のモードです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.