VMware ESXを動作させる物理マシンの要件を以下に記述する。詳細はマニュアルに譲るが、基本的には以下を満足する物理マシンを用意する必要がある。
CPUはマルチコアのものであっても 2 個以上搭載している必要があるということに注意してほしい。ただし、一部例外も認められているため、詳細は後述のコンパチビリティガイドを確認して頂きたい。
内蔵ディスクに関しても注意が必要である。こちらも一部例外があるが、原則としてSCSI もしくは SASのディスクが必須である。IDE や SATA のディスクは利用できないため、VMware ESXを動作させるサーバを選定する際には注意が必要である。
以上を満たしていれば原則VMware ESXをインストールして利用することが可能である。が、正式にサポートを受けるにはVMware ESX向けの認証を取得している機種、デバイスを用いて構成する必要がある。VMware ESX 3.5における認証取得済みの機種、デバイスのリストは以下よりダウンロード可能である。
上記ページより「コンパチビリティガイド」と呼ばれるPDFファイルをダウンロードできる。サーバ、ネットワークアダプタ、SCSI/SASコントローラ、Fibre Channel ホストバスアダプタ、ストレージなどの各デバイスに関して、VMware ESX 3.5での正常動作を保障する「認証試験」をパスした装置をここから確認することができる。コンパチビリティガイドは英語版、日本語版両方が提供されているが、内容は毎週更新されているため最新の情報を取得したい場合は英語ドキュメントを確認した方が良いかもしれない。日本語版ガイドは、英語版から1週間遅れで更新されている。
すでに利用するサーバベンダが決まっている場合は、その購入元に相談すればVMware ESXが確実に動作する構成を組んでもらうこともできる。IBM、HP、デル、NEC、富士通、日立、サンといった主要 x86 システムメーカーはすべてVMware Infrastructure 3をOEM製品として取り扱っており、VMware ESX向けの構成方法を熟知しているためだ。
VMware VirtualCenterは Windows環境上で動作するアプリケーションであるため、Windows OSが動作する環境であれば基本的にハードウェアを選ぶことなく動作させることができる。またそのマシン環境は物理マシンでも仮想マシンでも構わない。システム要件としては以下を満たしている必要がある。
サポートされる Windows OS 環境
以下のいずれかのデータベースソフトウェア
VMware VirtualCenterはデータベースソフトウェアを必要とするということに注意してほしい。ただ、ESX 5台以下、仮想マシンの数50以下という環境であれば無償の SQL Server 2005 Express Editionが利用可能である。SQL Server 2005 Express Editionは VMware VirtualCenter 2.5のインストールパッケージに収録されているため、VirtualCenterのインストールプロセスの中で同時にインストールしてしまうことも可能である。
今回は、VMware Infrastructure 3の全体像を再度紹介し、最小限の構成例を示した。また、VMware ESXとVMware VirtualCenterの動作環境について説明した。特にVMware ESXはハードウェア上で直接動作するソフトウェアであるため、サーバや各種デバイスは動作がサポートされているものを適切に選定する必要があるということに注意してほしい。
次回はVMware ESX、VMware VirtualCenterの各エディションの違いやライセンス管理体系などについて説明する。また、ソフトウェアのダウンロードやインストール前の準備など、インストール開始前にやっておく幾つかの手順について説明する予定である。
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