転職の話は順調に進みました。英語を(ほとんど)身に付けていない人間が、外資系の企業に就職することが決まってしまったのです。入社までの時間はたった2カ月。しかも、面接の際に私は「就業までに、英語はある程度ものにしておきますよ」などと大見えを切っていたのです。
どうしよう。勢いで見えを切ったものの、2カ月後にものすごくかっこ悪い状況に陥った自分の姿が目に浮かびました。
いろいろ考えた結果、英語を身に付ける手段として私が選んだのは、
でした。
英会話スクール通いはモチベーション維持になるし、お金を払えば途中で挫折しないだろうと考えました。実際、入会当初は毎日のように通い、2週間と比較的短期間でクラスが1つ上がりました。
また私は、その数年前にTLTというニュートンの英語学習用のソフトを購入していました。購入当時は、ソフトそのものが優れていることは認めていたものの、学習を継続できなかったのです。英会話スクールは予約制であり、好きなときにいつでも勉強できるわけではないので、スクールに通えない日はこのソフトで単語とリスニングの学習をすることにしました。とにかく時間があればこのソフトを使っていました。
このようにして学習を進めるうち、私は気付き始めました。身に付いているのは結局、英会話スクールで学んだことのうち復習を行った部分と、TLTで自習した内容のみであることに。そして、「英語学習は、自学自習のみで十分である」という結論に達したのです。結局、英会話スクールには1カ月弱しか通わず、何度も予約を催促する電話があったものの、その後1度も足を運ぶことはありませんでした。
転職直前の2006年3月、私は生まれて初めてTOEICを受験しました。当日は、受験までの1カ月、学習をさぼり気味だったことを後悔しながら出掛けました。しかし、「他人以上に集中すれば、もしかすると実力以上の高得点を出せるかも」などと根拠もなく考えていたようにも思います。
前半のリスニング試験が開始されました。ところが意外と聞き取れません。本当に聞き取れないのです。
集中力が足りないせいだと思い、一生懸命音に集中するのですが、一向に聞き取れません。あのラジカセが悪いのか? イヤホンばかりで練習していたから、空中を伝わってくる音声に慣れていないのか? などいろいろと考えてしまいましたが、英語の(はずの)音声が意味をなして頭に入ってくる様子はありません。得意の「気合」と「集中」で立ち向かうのですが、どうにもこうにも歯が立ちません。
あまりに聞き取れないので途中で闘志も萎えてしまい、肝心の「集中」すら維持するのが難しいありさまでした。
1カ月後の結果発表で明らかになった点数は、トータル545点、リスニング235点、リーディング310点で、全受験者の下から48.8%という平均以下のものでした(当時は、全体のPercentileのみ発表されました)。
とにもかくにも、この545点という点数が私のTOEIC初受験の結果であり、約1年後に学習を本格的に再開した際の出発地点となりました。
私の場合はタイミング的に難しかったのですが、皆さんには本格的に学習を開始する前に、1度TOEIC本試験を受けておくことをお勧めします。それは、
などの理由によります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.