クラッときたら、そのめまいの理由を探れ!ドクトル・ピノコのプチ元気の薬(5)(2/2 ページ)

» 2009年02月06日 00時00分 公開
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頭だけじゃない!首から耳までめまいの原因はいろいろ

 首からくるめまいというものもあります。「首を動かすとめまいがする」といった症状が多いのですが、耳からくるめまいでも同様の訴えがあがることがあり、詳しい検査をしないと診断できないことが多いのです。

 首を動かすことによって脳に行く血管がつぶされ、一時的に血流が少なくなることによって起こります。血管の走行や首の骨に問題があることもありますが、動脈硬化によることもあるので、「中高年・高血圧・高脂血症」に当てはまる方は要注意です!

 また、耳に原因があるめまいもあります。「えっ? 耳とめまいが関係あるの?」とちょっと意外に思うかもしれません。耳の奥の「内耳」という部分には、バランスをつかさどる器官があるんです。だからここにトラブルが起こると、グルグル目が回ったりフラフラしたりしてしまうんですね。

 めまいに伴って何か耳の症状(耳が聞こえにくくなる、耳鳴りがする、耳が詰まった感じがする、など)がある場合、耳に原因がある可能性が高いといえます。有名な病気としては「メニエール病」なんてものがありますよね。この場合には、早めの耳鼻科の受診をお勧めします。

 また、「急に振り返ったらめまいがした」「起き上がったらめまいがした」 など、急に頭の向きを変えて起こる場合には、「良性発作性頭位めまい症」という、やはり耳からくるめまいが考えられます。この病気の場合は耳の症状は伴わず、めまいは放っておいても自然に治ることが多いですし、あまり心配はいりません。受診すると状態によってはめまいを治す体操のようなものを行ったり、めまいの症状を和らげるお薬が出たりすることもあります。もちろん、いずれの病気も頭には何も問題がないことが前提ですが……。

医者に症状を伝える大切さ

 めまいとはちょっと違いますが、「急に立ち上がったらフラフラする」という症状の場合には、「起立性低血圧」といって一時的な血圧の変化が原因なことも。さらにはいろいろな検査で何も異常がないのにめまいが続く場合、精神的ストレスが原因となっていることもあります。この場合は心療内科や精神科などに相談してみるといいですね。

 めまいは、ほかにもいろいろな原因によって起こる可能性があるのですが、ここで挙げた症状のいずれかに当てはまる場合は診断のうえで大事なヒントになります。病院に行った際にはぜひ担当の医師に話してみてください。

 めまいにはさまざまな原因があり、どれが当てはまるのかを自分で判断するのは困難ですが、結局のところ、めまいで心配な方はまず頭の病気がないか調べてみるのがいいと思います。頭に問題がない場合には、首や耳、血圧などほかの原因検索が必要かもしれません。それと同時に、これはめまいに限らずいえることですが、ストレスマネジメントもお忘れなく。

 ちなみに恋によるめまいの方は、どうぞ続けてください。めまいがするほどの恋は一生続くわけじゃないもんね。いつか自然に落ち着くでしょ。一度でいいからそんな恋がしてみたいもんだわ。

今回のポイント

  • めまいで医者にかかる際には症状をできるだけ具体的に伝えることが大切。「いつ、何をしている時、どんなめまいなのか、どのくらいの時間続くのか、初回なのか繰り返すのか、めまいに伴うほかの症状があるか」などなど
  • 最も心配なのは頭からくるめまい。脳外科や神経内科などを受診すると、必要に応じてCTスキャンやMRIなどの画像診断をすることも
  • ほかに、耳からくるめまいや首からくるめまい、血圧の問題、精神的なものからくるめまいなど実にさまざま。耳の症状を伴うなら耳鼻科受診を
  • ストレスマネジメントを心掛けて

著者プロフィール

ドクトル・ピノコ

女医。医大生時代には体育会に属しつつ、某社キャンペーンガールや大手塾講師など数々のバイトもこなし、現在、酒と体力だけには自信アリの超体育会系の外科医として某病院にて働く。趣味は、酒、男、足裏リフレクソロジー。現在、「週刊ビジスタニュース」に月イチでコラムを連載中。ぼちぼち書き仕事も募集してます。


この記事は、ITmedia Biz.IDに掲載された連載「ドクトル・ピノコのプチ元気の薬」を再編集して掲載しているものです



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