3月6日にお台場の東京カルチャーカルチャーで「デザインハック・ミーティングVol.1 おばかアプリ選手権」が開催された。イベントの模様と披露されたおばかアプリをダイジェストで紹介する
「おばかアプリ」とは、イベント概要によると「うざいぐらいにかわいくて、ムダにかっこいい。かゆくないところにも手が届くアプリ」のこと。生産性向上とか効率性重視もけっこうだけど、技術とはそれだけのために存在するわけではない。
あえて「おばか」を目指すことで、いつもとは異なる方向への発想を広げてみる。業務アプリではできないムダなこと、やってはいけない(と思われている)壮大なことに挑戦してみる。「楽しませる」「笑わせる」というのは、実はとても難易度が高いことであり、それは突き詰めていくと「誰もが使いたくなる究極のアプリ」となる。……という深いコンセプトがあるのかないのかはともかく、初代おばかアプリの頂点を目指して8組のおばか、じゃなくて天才クリエータ達が集まった。
司会の家入さんは開会あいさつともに、「ボクも作ったものがあるので簡単に紹介させてください」とまずは司会者として見本となるおばかアプリを紹介。「結構気にする」(家入さん)という六曜を示すものや、オモコロのイメージキャラクタであるペロタンを使ったゲームを披露した。それまで、どんなイベントになるのか期待と不安が入り交じっていた会場をほんの少しだけ和ませた。
大日本印刷チーム
「エアーメイル」
「メッセンジャー通(とおる)」
おばかアプリ発表の一番手として登場したのは、大日本印刷チーム。PCでメールを書き、最終的にはPDFで紙に出力して直接相手に渡すという「エアーメイル」とメールの配信状況がデスクトップに表示される「メッセンジャー通(とおる)」を紹介した。
メッセンジャー通は、メッセージを配信する際にPCのデスクトップにキャラクタ(サラリーマン風の男)が現れて、メッセージを配達する姿を見せてくれるというもの。送信すると送信者のデスクトップから消えて、受信者のデスクトップに現れるという部分はポストペットに似ている。しかしこれでは普通のアプリ。
おばかアプリたるゆえんは、送受信に関係のない第三者のデスクトップを通過するところ。まったく関係ないのにタスクバーの上をトコトコ(急ぎ具合によって、スケボーに乗ったり、車だったり、暴走バイクだったりする)通り過ぎる様子は、最初は面白いものの頻繁にやられるとウザイことこの上ない。
制作者である大日本印刷の生田さんは、「このアプリの主役は、送信者でも受信者でもなく、間に挟まれてデスクトップを通過されてしまう第三者である」と説明。「上司の悪口を書いたメールを、上司のデスクトップを通してやりとりするとスリルを味わえる」という楽しみ方もあるとか。
「メッセンジャー通」のおばかポイント
メールを配信する際に、配達状況が見えるだけならともかく、送信者でも受信者でもない第三者のデスクトップにも現れるところがおばか。企業内で使えば、自分以外のスタッフ同士のやりとりを知ることで新しいコミュニケーション効果をもたらすかも?
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