Windows Vista/Server 2008ではBCDストアという新しいブート・メカニズムを利用している。ブート・メニューの表示順序を変更するにはbcdedit /displayorderコマンドを利用する。ブート・メニューのデフォルト項目を変更するには、bcdedit /defaultコマンドを利用する。ブート・メニューのタイムアウト時間を変更するには、bcdedit /timeoutコマンドを利用する。
対象OS:Windows Vista/Windows Server 2008
TIPS「bcdeditでVista/Windows Server 2008のブートOSメニューを変更する」では、Windows Vista/Server 2008以降で導入された新しいブート・メニュー・システム「BCD(ブート構成データ)ストア)」と、そのブート項目の表示名を変更するbcdedit.exeコマンドの使い方を紹介した。システムに2つ以上のOSをインストールすると、どのOS(どの構成)で起動するかを最初に選択できるが、その表示名を分かりやすくして、x86版とx64版で区別できるようにした。
本TIPSではその続きとして、ブート項目の表示順序やデフォルト項目、タイムアウト時間の設定方法を紹介する。
BCDストアに対応したOS(Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7など)を複数インストールすると、通常は後からインストールしたOSがブート項目の先頭に追加され、その先頭項目がデフォルトのOSとなる。つまりインストールしたのとは逆順に項目が並び、その先頭がデフォルトのOSとなる。
この順序を変更するには、bcdedit /displayorderコマンドを利用する。
まず現在のブート項目の状態をbcdedit /enumコマンド(bcdeditだけでも可)で確認する(bcdeditコマンドを実行するには、管理者として実行したコマンド・プロンプト上で作業を行う)。
displayorderの欄に表示されている2つの項目((2))に注目する。これが現在のメニュー項目である。上側の {current} となっているのが現在起動中のOS(最後にインストールしたOS)であり、下側の {9191f96f-……} は別の項目(最初にインストールしたOS)である。本来、各項目はこのようなID数字列で表現されることになっているが、見やすくするため、{current} や {default} という表記も用意されている(bcdedit /enum /vとすると常にID数字列で表示される)。{default} はデフォルト項目を表すが、この例では {current} も {default} も同じなので、{current} しか表示されていない。
表示項目の順番を変更するには、bcdedit /displayorderに続けて、メニュー項目のID数字列を列挙する。ここでは順番を逆にして指定してみる。
bcdeditを実行してみると、displayorderの欄の項目が入れ替わっているのが分かる。
上の例では、メニュー項目を入れ替えたが、デフォルトの項目はそのままである。つまり後からインストールしたOSがデフォルト状態になっている。これを変更するには、bcdedit /defaultに続けて、デフォルトにしたいメニュー項目のID数字列を指定する。
1つ上の画面の結果と比べると、displayorderの最初(1つ目)にあったID数字列が、{default} という文字に変わっている(defaultの項目も、{current} から {default} に変わっている)。これにより、表示されているメニューのうち、最初の項目がデフォルト項目として設定されたことになる。
2つ以上の項目が存在する場合、通常は30秒間表示され、ユーザーが何も操作しないとデフォルトの項目が起動する。このタイムアウト時間を変更するにはbcdedit /timeoutに続けて、メニューの表示時間(秒単位)を指定する。
この変更により、最後のtimeoutの項目が10(10秒)になっている。
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