Windows XP Modeにアプリケーションをインストールするには、[スタート]メニューの[Windows Virtual PC]−[Virtual Windows XP]で仮想マシンを起動し、仮想マシン内で通常の手法でアプリケーションをインストールする。するとWindows XPの[スタート]メニューに登録された項目が自動的に「公開」され、それがWindows 7の[スタート]メニューにも登録される。
アプリケーションのインストールは、仮想マシン上で通常どおり行えばよい。
アプリケーションのインストール後、そのまま仮想マシンの[スタート]メニューからアプリケーションを起動すれば、従来のVirtual PCのように利用できる。
■仮想マシンの終了
このモードの仮想マシンを終了させるには、仮想マシンのウィンドウにあるメニューから[Ctrl+Alt+Del]をクリックする(もしくは[Ctrl]+[Alt]+[End]キーを押す)。すると「Windows のセキュリティ」ダイアログが表示されるので、[シャットダウン]をクリックして終了する。
いったん仮想マシンを終了させ、今度はWindows 7の[スタート]メニューの[Virtual Windows XPアプリケーション]からインストールしたアプリケーションを起動させてみよう。すると今度は仮想アプリケーション・モードで実行される。
仮想アプリケーション・モードでは、次のように、ローカルのアプリケーションと同様に利用できる。
Windows XP Modeにインストールしたアプリケーションのメニューが自動的にホスト側のWindows 7のメニューにも登録されるのは、メニューの「自動公開」機能による。ゲストOS側で「All Users」ユーザーの[スタート]−[プログラム]メニューに書き込みを行うと(実際の場所は「%SystemDrive%\Documents and Settings\All Users\スタート メニュー\プログラム」)、それが自動的にホスト側のWindows 7のメニューにも反映されるという機能である。ゲストOSがWindows XP Professional、Windows Vista Enterprise、Windows Vista Ultimate、Windows 7 Enterprise、Windows 7 Ultimateの場合にのみ利用可能である(ゲストには統合機能をインストールしておくこと)。
この機能を使って、例えばInternet Explorer 6(Windows XP ProfessionalのデフォルトWebブラウザ)を仮想アプリケーション・モードとして公開するには、Internet Explorerの実行ファイルへのショートカットを作成し、All Usersの[スタート]−[プログラム]フォルダへコピーしておけばよい。All Usersの[スタート]−[プログラム]フォルダを素早く開くには、[スタート]メニューの上で右クリックし、ポップアップ・メニューから[エクスプローラ - All Users]をクリックするとよい(TIPS「現在のユーザーに対応するプロファイル・フォルダを素早く見つける方法」参照)。具体的な設定方法については、TIPS「Windows 7のXP ModeでIE6/IE7を実行する」を参照していただきたい。
このWindows XP Modeの仮想環境は、Virtual PC 2007と比べるとUSBが利用できるなど、いくらか機能が拡張されている。ホストPCにハードディスクやUSBメモリ、Webカメラ、USB接続の入出力/セキュリティ・デバイス/プリンタ、USBのドングル(コピー・プロテクト用のUSBキー)といった機器を接続すると(マウスやキーボードは表示されない)、通常はホストPC側で制御されるが、これを仮想マシン側へ割り当て直すことができる。例えば以下は、USBデバイスが接続された状態のメニューの例である。メニューの項目の末尾に[共有]や[接続]とあるが、これらを選択すると、それらのデバイスが仮想マシン側へ「USB仮想化スタブ・ドライバ」を経由してリダイレクトされる。ホストPC側からは見えなくなるので(切断されたように見える)、仮想マシン側でデバイス・ドライバなどをインストールすれば利用できる。なお「共有」といってもホストとゲストから同時にアクセスできるわけではない(ホストとゲストのどちらからも利用できるので、共有と呼んでいるようである)。
今回は過去の環境との互換性を実現するWindows XP Modeについて解説した。Windows Virtual PCは従来のVirtual PC 2007の後継製品なので、単なる仮想マシンの実行環境として利用することももちろん可能であるし、操作方法にも大きな違いはない。その活用方法などについては、以下の記事などを参照していただきたい。
Windows 7新時代
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