塚田朗弘「第一志望はいくらでもある」「勉強会に行け」ライバルに学べ! 学生スターエンジニアに聞く(6)(1/2 ページ)

高い技術力を持って活躍する「学生スターエンジニア」たち。彼らはどのように生まれ育ち、どんなことを考えているのか。同年代のスターへのインタビューから、自分の就職活動のヒントを得よう。

» 2010年03月31日 00時00分 公開
[岑康貴@IT]

 2009年7月に始まった不定期連載「ライバルに学べ! 学生スターエンジニアに聞く」。筆者の塚田朗弘さんが2010年4月より社会人となるため、今回は卒業記念と称して、塚田さん本人のインタビューをお送りします。連載の振り返りや、自身の就職活動、勉強会活動について語っていただきました。

「就職活動」と「勉強会」

 日本電子専門学校に2010年3月まで所属していた塚田さんは、Web上では「akitsukada」または「atcorp」というIDで活動しています。特に有名なのが「学生に対するIT勉強会の啓蒙家」としての顔でしょう。

 数多くのIT勉強会に参加し、自らも「電設部IT勉強会」を主催する塚田さん。実は、筆者が塚田さんと初めて会ったのも、よしおかひろたか氏主催「勉強会カンファレンス」の懇親会会場でした。

 「就職活動」と「勉強会」、2つの形でIT業界と接してきた塚田さんに、技術/情報系学生の心得を聞きました。

連載を振り返って

―― まずは、連載を振り返りたいと思います。2009年7月に始まって、今まで5人の「学生スターエンジニア」にお話を聞いてきました。印象に残っていることや、影響を受けたことはありますか?

塚田 5人全員、タイプが違って、非常に面白かったです。isidai(石森大貴)さんは取材でお会いしたあと、ずっと構っていただいていますし、na-toi(飯田信一)さんともその後つながっています。miskyさんchokudai(高橋直大)さんとはTwitter上でよく見かけて、たまにお話をしています。郷原(浩之)さんは僕がお勧めしたデータベース友の会に入られたみたいです。

塚田朗弘さん 塚田朗弘さん

塚田 皆さん、良いお話をしていただいて、すごく影響を受けています。特にchokudaiさんの「競争(コンテスト)を利用して勉強を楽しむ」という考え方には感銘を受けました。

 それから、1つ印象深いエピソードがあります。郷原さんが「ソースコードを読め」というメッセージを打ち出してくれましたよね。その直後、セキュリティ&プログラミングキャンプ・キャラバン2009に参加したら、よしおか(ひろたか)さんの口からまったく同じ言葉が出てきて(笑)。「同じことをいっている!」と。

―― 今年の1月には「ソースコード リーディング ワークショップ 2010」が開催されましたね。わたしも「つながっているなあ」と思いました。

大学卒業後、契約社員を経て、「ITの世界で食べていきたい」と専門学校へ

―― では続いて、塚田さんの「就職活動」についてお聞きします。4月からはどんな会社で働かれるんですか?

塚田 1000人くらいの規模のシステムインテグレータ(SIer)で、システムエンジニア(SE)として働きます。

―― 最近はIT企業といっても、Web系の会社が目立つようになってきましたが、塚田さんはなぜSIerを選んだのでしょうか。

塚田 当初から「IT業界」には絞っていましたが、もちろんそれでも幅がありますよね。自分はプログラミングがやりたいのか、ネットワークにかかわりたいのか……。よく分からないなりに、自己分析のようなものをやりました。

―― ただ、いずれにせよ「ITの世界で食べていく」のは間違いなかったわけですね。それを決めたのはいつだったんですか。

塚田 いまの学校(日本電子専門学校)に入る1週間前くらいです。

―― それまでは?

塚田 実は、僕は一度、大学を出ているんです。学部は文学部で、ITの知識なんてほとんどありませんでした。バンド活動に夢中になっていました。

 卒業後、契約社員という形で一度、働き始めました。ADSLのサポートの仕事でしたが、実は仕事の中身はあまり重要ではなくて、座り仕事でプライベートの時間が取れる仕事だから選んだ、というのが正直なところです。

―― どちらかというと、バンドをやりたかった?

塚田 そうです。でも、いろいろあってバンドが解散して、どうしようかなと。働いていた会社でそのまま正社員になる道もあったんですけど、それでいいのかなと考えるようになりました。

 自分が何をしたいのかなと考えたときに、父の自作ゲームで遊んでいた記憶や、バンドのホームページ制作担当だったこと、仕事でネットワークの世界に少し触れたことなどが重なって、ITの世界がいいんじゃないかという結論になりました。でも、当時の仕事もITといえばITの世界ではあったんですが、いわゆるマニュアル仕事でした。そうではなく、自分の力、技術力で仕事をしたいと思うようになって、いまの学校に入ったんです。

 学校では高度情報処理科という専攻で3年間、勉強しました。ここはSE職を目指す、という専攻です。ほかはプログラミングを徹底的に、とかいった専攻が多いのですが、ここは設計やドキュメンテーションなど、いわゆるSEの仕事の勉強も扱っていました。

―― そのころから、プログラマやハッカーのような仕事よりも、SEの仕事を目指していたということなのでしょうか。

塚田 入学する前は何をする専攻かよく分かっていなかったので、それはないですね。プログラマとSEの違いも知りませんでした。専攻は名前で選びました(笑)。

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