「おばかWindows 7アプリ選手権」に向けた対策講座として、@IT編集部は「おばかアプリ勉強会」を開催。過去のおばかアプリ選手権でインパクトを残してきたクリエータ/プログラマから、おばかアプリ開発の極意や心得が語られた
Windows 7プラットフォームで動く、Windows 7の機能を生かしたアプリを競う「おばかWindows 7アプリ選手権」が開催中だ。応募は3月から始まっており、締め切りとなる5月31日まで残りわずかとなった。
@IT編集部は、選手権の参加希望者にWindows 7の機能とおばかアプリ開発のヒントを知ってもらおうと、4月21日に「おばかアプリ勉強会」を開催。約30名の参加者に向けて、「ライトニングおばかトーク」「まじめ技術セッション」が行われた。過去のおばかアプリ選手権でインパクトを残してきたクリエータ/プログラマが、おばかアプリ開発の極意や心得について次々に語ると、協賛のマイクロソフトのエバンジェリストは、ユーザーエクスペリエンスやWindows 7の「センサーAPI」を活用するためのヒントを紹介した。
最初に登場したのは、チームラボの山本遼さん。山本さんは第3回おばかアプリ選手権の優勝者で、そのときに披露した「らぼかへ」と、後に開発した「ヘブンズ・ドア」について紹介した。
「らぼかへ」は、コーヒーメーカーの残量を監視して、それをWebブラウザに表示されるアイコンで確認できるというアプリ。この説明だけだと「それは便利そう。製品化もありえそうな便利アプリじゃないか」と思えてしまうかもしれない。しかし、細部へのこだわりや機能を実現する発想、ケチ臭さがハンパないのだ。
チームラボ社内で「らぼかへ」は大ウケし、山本さんに新たなリクエストがやってきた。それは、トイレの空き確認アプリ。約40人の男性社員に対して、トイレの個室は1つ。コーヒーメーカー同様、「トイレに行ったら使用中だった」ことが頻発していたという。
最初は、トイレの中にPCを設置して、人感センサを使って空室確認するシステムを開発した。しかし、「安定動作していたが、トイレの中にPCを置くことに抵抗を感じていた」という山本さん。そんなときに同僚のエンジニアから、「マウスでもイケるのではないか」というアドバイスをもらった。これがヒントとなって、ひとひねり加えたシステムへと発展(または、退化?)することになる。
山本さんが考えたのは、「ドアにマウスを設置することで、開閉時にクリックされて空室確認ができる」というシステムだった。クリックの認識はPCで行うが、無線式マウスなのでトイレ内に置く必要はなく清潔だ。また、Webブラウザでの表示についても、いつもトイレの状況が見えるのもどうかと思い、アイコンをクリックしたときだけ表示されるようにした。
山本さんが考えるおばかアプリ開発の極意は、まず実用性のあるアプリであること。次に、簡単であること。高価な部品や複雑な仕掛けよりも、シンプルで身近な素材を使って作ることが、ユニークでおばかな要素を生み出すという。
おばかアプリ勉強会資料 チームラボ
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カヤックでデザイナをしている林真由美さんは、第1回おばかアプリ選手権ではペパボ賞に、第3回ではデイリーポータルZ賞に輝いた。数あるおばかアプリの中でも、さらにキワモノな作品に贈られる特別賞を2つも獲得している事実が、おばか的発想のレベルが高いことを物語っている。
林さんは、これまで選手権で披露したアプリ、「Trash Roll」「おはかアプリ」「パンティノン神殿」「タニマニア」などを紹介した。
まず「Trash Roll」「おはかアプリ」は、どちらもOSのゴミ箱機能をリデザインした作品。「Trash Roll」は、「ゴミ箱を空にする」を実行する際に、削除されるファイルが映画のスタッフロールさながらにBGMとともに流れる。同じく「おはかアプリ」も、ファイルの削除を大げさに演出したもの。削除されたファイルのお墓がデスクトップに作られ、霊となったファイルがうごめくというものだ。
ファイル削除ごときに大げさ以外のなにものでもないが、そのコンセプトについて「何気ない日常を過剰に感動的に演出したもの」と説明する。
「パンティノン神殿」「タニマニア」は、お色気いっぱいのiPhoneアプリ。「エロ」は人々の注目を集める要素の1つではあるが、この2つの場合は駄洒落によるネーミングも重要なポイントだったという。
最後に紹介した「馬鹿(うましか)アプリ」は、「無駄をさらに無駄に活用する」というコンセプトのアプリ。カヤックが明和電機と共同開発した「貧乏ゆすり計測デバイス」であるYUREXを使い、貧乏ゆすりによって仔馬と仔鹿を立ち上がらせるというもの。
おばかアプリ勉強会資料 カヤック
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