サイバーエージェントの渡辺梓さんが紹介したのは、「レッツGYU-DooooN」という牛丼調理支援アプリ。Wiiの無線コントローラやバランスボードといった周辺機器が使われている。ITの力を使って「修行なしでおいしい牛丼を作る」のが目的だったが、実際の開発では思わぬ苦労もあったという。
まず、牛丼の量を計測しようと採用したWiiバランスボードでは、最小計測単位が1kgだったため牛丼には不適切。そこで、重量変化10回分の平均値を使ったり、ブレ幅5倍の変化は無視したりといった工夫によって解決した。
“おばか”ならではのポイントとしては、食材の肉に高級なものを使ったり、萌え要素を入れたりといった、本来のアプリ自体とは異なる部分にこだわった点を挙げた。「私って何やってんだろ? と思うこともあったが、深夜のナチュラルハイな状態で乗り切った」とのこと。冷静に考えずに、とにかく自己満足で突き進むことも大切なのだ。
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浦野さんが紹介したのは、「絶対!ぬぎPON」という野球拳アプリ。コンセプトは「テクノロジとエロ」。内容は、画面の女の子とジャンケンをするという野球拳の王道を行くゲームだ。ただし、その小道具であるジャンケン用のグローブには、曲げセンサが使われていたり、プレイヤーの姿勢を感知するためにWiiバランスボードが使われていたりと、フィジカルコンピューティングが満載だ。
また、開発作業はデザイナやFlashエンジニア、デバイスエンジニアなど4人体制で行われたが、そのコラボレーションがうまくいったのも重要な成功要因だったという。詳細は、下記記事を参考にしてほしい。
じゃんけんグローブ「絶対!ぬぎPON」の作り方
次世代のインプットを考えよう(4) FunnelとFIOとZigBeeを活用した「絶対!ぬぎPON」を事例に、自作デバイスの組み立て方からFlashアプリ作成方法までを説明します
デザインハック < リッチクライアント 2009/5/19
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シグマコンサルティングの橋本圭一さんは、「Visual Studio 2010を使った欲求指向プログラミングのすすめ」と題したプレゼンテーションを行った。橋本さんは、第2回おばかアプリ選手権では、ギターを使って文字入力を行うアプリを披露した、ミュージシャン・エンジニアである。今回は橋本さん流に、おばかアプリ開発の心得を紹介した。
心得その1は「欲求指向プログラミング」で、これは自分の好きなことやりたいことをアプリ開発のテーマにすることで、高いモチベーションを維持して取り組めるというもの。要するに「好きこそものの上手なれ」だ。
その2は「チームでやろう」で、社外の人と組むことで、新鮮さや刺激を生み出すというもの。自分1人では想像もしないことを生み出すためにも、これは重要だ。
その3は「ネタは自分のサブカルチャーや生い立ちから」。人間誰しも少年時代にハマったものが1つや2つはあるはずで、そこからネタを引っ張り出してこようというもの。これも、モチベーションを生み出す方法の1つだ。
その4は「あえて最新技術に触れてみる」で、積極的に新しいことに触れる機会として生かそうというもの。仕事中に上司に指摘されても、「あ、これは遊んでいるのではなくて、Silverlight 4の勉強中です」と言い訳しやすいところもポイントだという。
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