インストールの終了後、VMware Playerの管理画面は次のようになっているはずである(これは仮想マシン停止時の状態)。
仮想マシン名をダブルクリックすればそのまま起動するし、右クリックしてポップアップ・メニューから[仮想マシン設定]を選択すれば、ハードウェアの構成などを変更できる。
実行中の仮想マシンのウィンドウを次に示す。DirectXがサポートされているので、Windows Aeroインターフェイスが有効になっている。
■ウィンドウの最大化/最小化
ウィンドウのタイトル部分をクリックすると仮想マシンが全画面状態で実行される。この状態では最上部にリモート・デスクトップ接続のような、操作用の短いメニュー・バーが表示されている。メニューが常に表示されているので、操作しやすいが、リモート・デスクトップのように左右に移動させることはできない。
■USBデバイスの使用
仮想環境におけるUSBサポートは、マイクロソフト製品ではWindows Virtual PCで初めて導入されたが、VMwareでは比較的古い時期からサポートされていた。当然VMware Playerでも利用可能であり、ホストPCに装着されたUSBデバイスをゲストOSから利用可能である。
■終了方法
仮想マシンの実行を終了するには、ゲストOSでシャットダウン・メニューを実行するか、仮想ウィンドウの右上にある×マークなどで閉じる。するとシャットダウン処理が始まり、ゲストOSが終了する。Virtual PCなどと違って、VMware Playerにはディスクの復元機能(もしくはスナップショット機能)がないため、例えば実験が終わったからすぐに仮想マシンをオフにする(そして、また前と同じ状態から起動する)ということができない。ただしGUIとしては用意されていないだけで、別の手段を使えば同等のことが可能となっている。これについては今後取り上げる。
仮想マシンのハードウェアの構成を変更するには、管理画面で仮想マシン名を右クリックし、ポップアップ・メニューから[仮想マシン設定]を選択する。
まず変更するのはメモリ・サイズだろう。VMware Playerでは、Virtual PCやWindows Virtual PCと違い、仮想マシンに割り当てるメモリ・サイズは、ホストPCの物理メモリ・サイズに制限されない。例えば物理メモリが8Gbytesしかないホスト・システムであっても、仮想マシンに16Gbytesのメモリを割り当てて、実行できる。Virtual PCやWindows Virtual PCでは仮想マシンに割り当てたメモリは実メモリを占有するため、特に複数の仮想マシンを利用する場合はメモリの割り当てを融通しあう必要があった。それに比べると、VMware Playerの仮想的なメモリ割り当てでは、細かいことを気にしなくてもよくなっている。
実際には、仮想マシンに割り当てたメモリは、ファイル・システム上に*.vmemというファイルとして確保されている(デフォルトの場合。設定によってはVirtual PCのように実メモリに割り当てることも可能。その方法については今後紹介する)。このファイルの内容が物理的なメモリ上に読み出され、仮想マシンに割り当てられて実行されている。そのため、物理メモリ・サイズを大きく超えるようなメモリを仮想マシンに割り当てて、それらのメモリがすべて使われるようなことがあると、大きくパフォーマンスが低下する。つまり仮想記憶と同じであり、多くメモリを使えば使うほどパフォーマンスが急速に低下するのには注意が必要である。
とはいえ、いくら多く割り当てたとしても、各仮想マシンが実際に使うメモリ(コミット・サイズ)が実際の物理メモリ・サイズよりも少なければ、パフォーマンスが大きく低下することもない。メモリ割り当ての柔軟性が高くなる分、このような方式の方が便利なのは確かであろう。
以上の設定で仮想マシンを起動したのが次の画面である。左側は仮想マシンのタスク・マネージャ、右側はホストPC上のタスク・マネージャである。ホストPCには12Gbytesのメモリしかないのに、仮想マシンには16Gbytesのメモリが搭載されているように見える。
次はCPUの割り当てについてみてみよう。ウィザードはデフォルトでは、1仮想マシンに対して1コアのみ割り当てる。VMware Playerでは、この数を最大で4つまで増やすことができる。ユーザー・インターフェイス上では8つまで割り当て可能だが、VMware Playerでは最大で4つに制限されている。
今回はVMware Playerの非常に基本的な使い方について解説した。次回はもう少し踏み込んだ使い方や、ユニティ・モード、ネットワーク機能、仮想ディスク・ツールなどについて解説する。
Virtual PCとVMware Playerは、目指している方向が少しずつ異なるためか、お互いに完全にどちらか1つだけにするというわけはいかないかもしれない。だが、幸いなことに(と言ってもよいものかどうか)、Virtual PCとVMware Playerを同じコンピュータに入れて使うことも可能なようなので、既存の仮想ディスク資産はそのままに、新しく仮想マシンを作るときは状況に応じてどちらかを使う、というふうに使い分けるとよいかもしれない。次回で詳しく触れる予定だが、VMwareにはVirtual Applianceという、すぐに利用/評価可能な非常に多くの資産がある(簡単に言えば、VMware環境ですぐに利用できるように設定された仮想ディスク・パッケージ)。これもVMware(Player)の大きな魅力といえるだろう。
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