アプリ名:OKサイン
登壇者:SIGFP(シグマコンサルティングとGFPの連合ユニット)
「いやー、仕事でも使えて、モテモテになりましたよ」部門優秀賞
「OKサイン」は、作者の説明によると「気になるあの子の気持ちをスキミングするアプリ。メールを書いているときの気持ちを盗んでしまう。こちらでは、その結果を視覚的に見られる」というアプリだ。
もう少し分かりやすく説明すると、メールを書いている最中の脳波をセンサで読み取り、事前にMicrosoft Outlookに組み込んでおいたプログラム経由で脳波データをサーバに送って解析し、受信者はメールとともにその結果を受け取るというもの。いや、これでもまだ分かりにくいか。要するに、メール送信者のドキドキ感を察知することで、受信者と「恋愛の脈」があるかどうかを知るためのアプリだ。
デモでは、女性から審査員の何人かに対してメールを送信して恋愛成就の可能性を判定。かなりの高確率で好印象の判定が出るはずだったが、残念ながら大場さんだけはNG。Windows Azureまで活用した設計は評価しつつも、「審査結果は期待しないように(笑)」とチクリ。
ポイント
脳波が好き勝手に読み取られてしまうなんてアリエナイが、相手の気持ちが分かるというのは人類の夢でもある。クラウドを活用するなどアプリとしても高度だ。
ところが、脳波解析のための「謙三エンジン」はビミョー。「謙三」というのは作家の北方謙三さんのことで、30〜40代にとっての恋愛経典である「ホットドッグプレス」誌上の恋愛指南で活躍していた。その恋愛観を判定ロジックとして実装したのが「謙三エンジン」で、そのために基準がイケイケなのだ。「賢三エンジン」というネーミングや判定ロジックを、いまさら賢三さんに委ねちゃったところが、おばか。
アプリ名:2次元ダイエットいす(仮)を作ってみた
登壇者:山本遼さん(チームラボ)
「いやー、仕事でも使えて、モテモテになりましたよ」部門優秀賞
ここ数年、人に会うたびに「最近太った?」と聞かれるという山本さん。実際、太り続けており、ダイエットに何度もチャレンジしているが、なかなか効果は現れないという。「ダイエットを始めても、新しい興味対象(最新ガジェットなど)が現れると、そちらに気を取られてダイエットがおろそかに……」というバッドサイクルの連続のようだ。「ダイエットへの興味を持続させれば解決できるはず」という自己分析から生まれたアプリが、「2次元ダイエットいす(仮)を作ってみた」だ。
このアプリの最重要目的は、ダイエットを継続させること。そのために盛り込んだ要素は、「意識しなくても毎日体重を量る」「(太ったときの)“がっかり感”の回避」「達成感をより味わえるようにする」の3つ。
まず、オフィスの椅子に体重測定機能を付けることで、「毎日意識せず」を実現。Wiiバランスボードで量った体重をWindows 7上のデスクトップガジェットで受信して記録する。
測定した結果は、数値で示さずに“何となく”で把握できるアイコンを表示。「ちょっと太った、まぁまぁやせた」という、ゆる〜い感じで把握できるため神経質にならずに済む。
目標体重の達成度も、単なるパーセンテージではなく、自分がお気に入りのゲーム(RPGなど)の進ちょく度合いに置き換えることで、より実感しやすくした。
ポイント
あきらめずにダイエットを続けるための要素がてんこ盛りの「2次元ダイエットいす(仮)を作ってみた」アプリ。傍から見ると「なんて甘ったれているんだ……」と思えなくもないが、その苦しみや悩みは当人にしか理解できないのが、ダイエットというものだ。
おばかに思える仕様も、「ユーザーエクスペリンエンスの追究」ととらえると、実は優れているといえるかもしれない。そんな、評価が分かれるところも「おばかアプリ」らしいといえる。
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