これまでの解説でフェムトセルの概要、そして現状を理解していただけたかと思います。前述した考慮点を克服し、携帯電話ユーザーにとってのメリットが明らかになってくるに従い、フェムトセルの普及は加速していくでしょう。
一昔前、インターネットはPCの前に座って使うものでした。それがいまでは、携帯電話やスマートフォン、そしてiPadなどに代表されるタブレット型コンピュータを用いて、「いつでもどこでも快適なインターネット」が当たり前の時代になっています。
このような環境を実現するため、そしてさらなる利便性の向上を求める携帯電話ユーザーのニーズを満たすために、移動体通信におけるフェムトセルは、なくてはならない存在といえるでしょう。これは、現行方式の3Gはもちろん、そしてサービス開始が間近のLTE、さらにその次の世代の移動体通信方式であるLTE-Advanced(4G)においてもいえることです。
この先フェムトセルは、家庭用の超小型基地局としてだけではなく、Wi-Fiアクセスポイントやブロードバンドルータなどの機能を統合し、ブロードバンド、3G、Wi-Fi、そしてBluetoothといった多様なインターフェイスを備えた、各家庭の情報通信の「ハブ」として、ホームICTの中核的存在に昇華する可能性を秘めています。実際に、海外ではすでにそのような事例が生まれています。
具体的な例として、帰宅した際に、外出先で撮影した携帯電話の写真や動画、そして更新されたコンタクトリストなどの携帯電話内の各種データが、フェムトセルを介して自動的にPC上のアプリケーションと同期したり、FacebookなどのSNSサイトへ自動的にアップロードされる、というユースケースが想定されます。
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