5分でわかるフェムトセル5分で絶対に分かる(6/6 ページ)

» 2010年12月27日 00時00分 公開
[野田真株式会社エアヴァーナ]
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5分 - ホームICTの中核へ、フェムトセルの今後

 これまでの解説でフェムトセルの概要、そして現状を理解していただけたかと思います。前述した考慮点を克服し、携帯電話ユーザーにとってのメリットが明らかになってくるに従い、フェムトセルの普及は加速していくでしょう。

 一昔前、インターネットはPCの前に座って使うものでした。それがいまでは、携帯電話やスマートフォン、そしてiPadなどに代表されるタブレット型コンピュータを用いて、「いつでもどこでも快適なインターネット」が当たり前の時代になっています。

 このような環境を実現するため、そしてさらなる利便性の向上を求める携帯電話ユーザーのニーズを満たすために、移動体通信におけるフェムトセルは、なくてはならない存在といえるでしょう。これは、現行方式の3Gはもちろん、そしてサービス開始が間近のLTE、さらにその次の世代の移動体通信方式であるLTE-Advanced(4G)においてもいえることです。

 この先フェムトセルは、家庭用の超小型基地局としてだけではなく、Wi-Fiアクセスポイントやブロードバンドルータなどの機能を統合し、ブロードバンド、3G、Wi-Fi、そしてBluetoothといった多様なインターフェイスを備えた、各家庭の情報通信の「ハブ」として、ホームICTの中核的存在に昇華する可能性を秘めています。実際に、海外ではすでにそのような事例が生まれています。

図5 ホームネットワークの中心的存在へ 図5 ホームネットワークの中心的存在へ

 具体的な例として、帰宅した際に、外出先で撮影した携帯電話の写真や動画、そして更新されたコンタクトリストなどの携帯電話内の各種データが、フェムトセルを介して自動的にPC上のアプリケーションと同期したり、FacebookなどのSNSサイトへ自動的にアップロードされる、というユースケースが想定されます。

著者紹介

株式会社エアヴァーナ

野田 真(ノダ マコト)

日本国内の通信事業者、通信機器商社を経て、2009年より株式会社エアヴァーナにてフェムトセルに関するエンジニアリング業務に従事。



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