VTPの基礎を学習するCCNP対策講座 SWITCH編(2)(2/2 ページ)

» 2010年12月27日 00時00分 公開
[内藤佳弥子グローバル ナレッジ ネットワーク]
前のページへ 1|2       

VTPプルーニング

図2 VTPプルーニング有効時の動作 図2 VTPプルーニング有効時の動作

 スイッチがブロードキャストトラフィックを受信した場合、どのような動きをするか思い出してください。スイッチは、ブロードキャストトラフィックを受信するとフラッディングします。フラッディングとは、受信したポート以外のすべてのポートに、フレームを転送する動作です。図2の場合、スイッチ2に接続するVLAN2のPCがブロードキャストトラフィックを送信すると、スイッチ2はフラッディングします。そしてそれを受信したスイッチ1も、スイッチ3、スイッチ4に向けてフラッディングします。

 しかし、スイッチ4の配下にはVLAN2に所属するPCが存在しません。よって、スイッチ4はVLAN2のブロードキャストトラフィックを必要としていません。

 VTPプルーニングを有効にすると、不必要なブロードキャストトラフィックを排除できます。VTPプルーニングを有効にすると、スイッチ1はスイッチ4に、VLAN2のブロードキャストトラフィックを転送しなくなります。VTPプルーニングを有効にできるのは、サーバモードのスイッチのみになります。

 サーバモードのスイッチで有効にすると、管理ドメイン全体で有効になります。

VTPの設定と確認

 図3のSwitch1に対して、以下の条件で設定を行います。

  • VTPドメイン CCNP
  • VTPパスワード Cisco
  • VTPモード サーバモード
  • VTPプルーニング 有効

 パスワードはオプションです。Switch1でパスワードを設定した場合、Switch2、3でドメイン名・パスワードが一致すると、VTPアドバタイズメントに含まれるVLAN情報に同期します。

図3 VTPの設定 図3 VTPの設定
Switch1(config)#vtp domain CCNP …… VTPドメイン名の設定
Switch1(config)#vtp password Cisco …… VTPパスワードの設定
Switch1(config)#vtp mode server …… VTPサーバモードに設定
Switch1(config)#vtp pruning …… VTPプルーニングを有効

 VTPドメイン名とパスワードはいずれも、1〜32文字です。大文字、小文字を区別します。

 デフォ〜ルトのモードはサーバモードです。クライアントモードやトランスペアレントモードにしたスイッチをサーバモードに戻す際に、上記のコマンドを使用します。

 VTPプルーニングは、サーバモードのスイッチでのみ有効にすることができます。

 VTP設定の確認をするには、show vtp statusコマンドを使用します。

Switch1#show vtp status
VTP Version                     : 2                  (1)
Configuration Revision          : 1                  (2)
Maximum VLANs supported locally : 255
Number of existing VLANs        : 5
VTP Operating Mode              : Server             (3)
VTP Domain Name                 : CCNP               (4)
VTP Pruning Mode                : Enabled            (5)
VTP V2 Mode                     : Disabled           (1)
VTP Traps Generation            : Disabled
MD5 digest                      : 0x0F 0x8C 0xA0 0xDB 0x61 0x90 0x75 0x31
Configuration last modified by 0.0.0.0 at 3-4-93 02:11:20
Local updater ID is 0.0.0.0 (no valid interface found)

 VTP Version(1)は、サポートできるVTPのバージョンを示しています。VTP Versionには2と表示されていますが、VTP V2 Modeの個所がDisabledなので、VTPバージョン2は有効になっていません。

 Configuration Revision(2)から、リビジョン番号は1です。

 VTP Operating Mode(3)から、VTPモードはサーバモード、VTP Domain Name(4)から、VTPドメイン名はCCNPです。VTP Pruning Mode(5)がEnabledのため、VTPプルーニングが有効であることが分かります。

確認問題3

  • 問題

 VTPドメイン名を確認するコマンドを、次の選択肢の中から1つ選択しなさい。

a.show vtp domain
b.show vlan
c.show vtp status
d.show vtp

  • 正解

 c

  • 解説

 正解は選択肢cのshow vtp statusです。選択肢aのshow vtp domainというコマンドや、選択肢dのshow vtpというコマンドは存在しません。選択肢bのshow vlanでは、VLAN情報と、そのVLANが割り当てられているポート番号は確認できますが、VTPドメイン名は確認できません。

筆者紹介

内藤佳弥子(ないとうかやこ)

グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部に在籍。IT業界でヘルプデスク、ユーザーサポートを経てトレーナーになる。現在は、Cisco認定トレーナーとして、CCNA、CCNPのコースなどのCisco認定トレーニングコース、ネットワーク系オリジナルコースを担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

AI for エンジニアリング
「サプライチェーン攻撃」対策
1P情シスのための脆弱性管理/対策の現実解
OSSのサプライチェーン管理、取るべきアクションとは
Microsoft & Windows最前線2024
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。