スイッチがブロードキャストトラフィックを受信した場合、どのような動きをするか思い出してください。スイッチは、ブロードキャストトラフィックを受信するとフラッディングします。フラッディングとは、受信したポート以外のすべてのポートに、フレームを転送する動作です。図2の場合、スイッチ2に接続するVLAN2のPCがブロードキャストトラフィックを送信すると、スイッチ2はフラッディングします。そしてそれを受信したスイッチ1も、スイッチ3、スイッチ4に向けてフラッディングします。
しかし、スイッチ4の配下にはVLAN2に所属するPCが存在しません。よって、スイッチ4はVLAN2のブロードキャストトラフィックを必要としていません。
VTPプルーニングを有効にすると、不必要なブロードキャストトラフィックを排除できます。VTPプルーニングを有効にすると、スイッチ1はスイッチ4に、VLAN2のブロードキャストトラフィックを転送しなくなります。VTPプルーニングを有効にできるのは、サーバモードのスイッチのみになります。
サーバモードのスイッチで有効にすると、管理ドメイン全体で有効になります。
図3のSwitch1に対して、以下の条件で設定を行います。
パスワードはオプションです。Switch1でパスワードを設定した場合、Switch2、3でドメイン名・パスワードが一致すると、VTPアドバタイズメントに含まれるVLAN情報に同期します。
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VTPドメイン名とパスワードはいずれも、1〜32文字です。大文字、小文字を区別します。
デフォ〜ルトのモードはサーバモードです。クライアントモードやトランスペアレントモードにしたスイッチをサーバモードに戻す際に、上記のコマンドを使用します。
VTPプルーニングは、サーバモードのスイッチでのみ有効にすることができます。
VTP設定の確認をするには、show vtp statusコマンドを使用します。
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VTP Version(1)は、サポートできるVTPのバージョンを示しています。VTP Versionには2と表示されていますが、VTP V2 Modeの個所がDisabledなので、VTPバージョン2は有効になっていません。
Configuration Revision(2)から、リビジョン番号は1です。
VTP Operating Mode(3)から、VTPモードはサーバモード、VTP Domain Name(4)から、VTPドメイン名はCCNPです。VTP Pruning Mode(5)がEnabledのため、VTPプルーニングが有効であることが分かります。
VTPドメイン名を確認するコマンドを、次の選択肢の中から1つ選択しなさい。
a.show vtp domain
b.show vlan
c.show vtp status
d.show vtp
c
正解は選択肢cのshow vtp statusです。選択肢aのshow vtp domainというコマンドや、選択肢dのshow vtpというコマンドは存在しません。選択肢bのshow vlanでは、VLAN情報と、そのVLANが割り当てられているポート番号は確認できますが、VTPドメイン名は確認できません。
内藤佳弥子(ないとうかやこ)
グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部に在籍。IT業界でヘルプデスク、ユーザーサポートを経てトレーナーになる。現在は、Cisco認定トレーナーとして、CCNA、CCNPのコースなどのCisco認定トレーニングコース、ネットワーク系オリジナルコースを担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら。
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